大阪—白浜に「おんせんバス」 あじさい観光と田辺観光バス、訪日客の地方誘致へ軸足
大阪府堺市のあじさい観光と和歌山県白浜町田辺観光バスが今年3月から、大阪−白浜温泉を結ぶリムジンバス「おんせんバス」を運行している。大阪を訪れている外国人観光客をはじめ、県外観光客に南紀白浜へのアクセスとして利用を呼びかけている。
おんせんバスは、白浜温泉の旅館ホテル前にバス停を設け、そのままチェックイン。手荷物が多いFITのインバウンド客へ乗り換えのわずらわしさなどの解消を図った。大阪でのバス停も、インバウンド客が多い難波の木津市場、外国人の宿泊拠点の一つ新今宮、関西国際空港の玄関口りんくうタウンの3カ所に設けている。都市部から地方へインバウンドの流れを創出するアクセスとしての役割を明確にした。
バスは1日2往復。大阪発は9時と14時、白浜発は9時と14時30分。大阪−白浜間を最速2時間30分で結ぶ。料金は大人片道2600円(小学生以下は半額)。
田辺観光バスの大谷晃一社長は「白浜温泉には年間330万人の入り込みがありますが、バスの利用は5%に満たない状況です。都市部と旅館ホテルを直結することで新たな需要が創出できると考えています」と話す。
現在、白浜側ではシラハマキーテラス・ホテルシーモア、紀州・白浜温泉むさし、ホテル川久、白浜古賀の井リゾート&スパの4つの宿泊施設と観光施設のとれとれヴィレッジにバス停を設けているが、2020年1月を目途に停留所を増設。南紀白浜空港やアドベンチャーワールドのほか、ほかの旅館ホテルにも停車し利便性を高める考えだ。
ただ、大谷社長は「マイカー移動と比較し、白浜に着いてからの移動が課題」とし、白浜を拠点に熊野古道や串本、高野山方面への日帰りバスツアーをデイリーで催行したいという思いも持つ。
「国が計画している無人バス構想を白浜で実現するよう働きかけたい」と大谷社長。宿泊拠点の白浜から交通ネットワークを充実させ、地方観光の課題となっている二次交通対策に白浜から一石を投じる構想を抱く。
旅行会社はじめ観光事業者にも「ぜひ乗車体験してほしい」と両社。
- 「温泉チャージ」でブランディング 和歌山県とじゃらん、高付加価値プラン造成(24/11/25)
- 目標は25年中に署名100万筆 全国推進協、国民運動化し機運高める(24/11/25)
- 和歌山県旅館組合、「温泉文化」署名2カ月で1万5千筆を達成 12湯サミットで井上副会長に贈呈(24/11/25)
- ONSENを世界無形文化遺産に 「温泉文化」のユネスコ登録目指す(24/11/25)
- 「巡湯帳」と「御湯印」 わかやま12湯推進協が販売、12湯の周遊と再訪促す(24/11/25)
- 熊野本宮大社に「献湯」 12の湯を十二神へ奉納(24/11/25)
- 川湯温泉で第4回12湯サミット 聖地・熊野で“よみがえり”宣言(24/11/25)