昔ながらの手法で味噌仕込む 枚方市の北村みそ、インバウンド視野に体験/大阪
大阪府枚方市で140年を超える歴史を持つ「北村みそ本家」。大豆と麹、塩だけを用いた昔ながらの手づくりで味噌を醸造し、地元を中心に長年愛されている老舗だ。同店とスパイス研究家の内藤あづ紗さんがコラボして3月20日、味噌仕込み体験教室が開かれ、参加した。
店主の北村晋也さんが軽妙な語り口で、同じ材料であっても湿度や気温、仕込み方の違いによって味が異なる味噌づくりの奥深さを話し、美と健康をコンセプトに大阪・北新地でスパイスカレーの専門店「AZU CURRY」を経営する内藤さんもまたこだわりの食づくりの魅力を語る。長期熟成した味噌、豆味噌、白味噌など北村みそ本家で製造されている8種の味噌を食べ比べ、同じ味噌でもこんなに違うのかと参加者は驚く。
記者も体験した。熱々に蒸された北海道産の大豆に、国産の麹と塩を均等になるよう混ぜる。豆を潰すように混ぜるのがポイントだが、熱いうえ力も必要なのでなかなかの重労働。「美味しくなれ、美味しくなれ」と念じながらやる。なかなか上手くいかない。見かねた北村さんが助太刀してくれて、他の参加者と出来具合をお喋りしながら、仕込んだ味噌の柔らかさを確認し合う。「耳たぶぐらいの柔らかさが目安です。でも、耳たぶの硬さはみんな違いますけど」と北村さんが笑わせる。

味噌を仕込む参加者(中央が内藤さん)
用意してもらった樽に空気が入らないように均等に詰めていく。「うちぶたの上に何か重しを置いて自宅の冷暗所で寝かしてください。カビがはえていないか気になるかもしれませんが、ふたは開けずに我慢、我慢。10月を楽しみに待っていてください」と北村さん。
仕込んだ味噌は約4・5㌔。大きめの手提げ袋に樽を入れた。ずしりと重いけれど、肩ひもの食い込みも心地いい。この秋に、美味しい味噌汁を味わえるのが楽しみだ。
北村みそ本家は、東海道五十六次の枚方宿だった京街道に面して建つ。店構えも往来が盛んだった当時を彷彿させ、周辺には古い町屋が並ぶ。内藤さんは「まち歩きと味噌仕込み教室で、インバウンドの方にも来ていただきたいと思っています」。この日も10人ほどが参加したアットホームな雰囲気の中、日本の食文化を体験するプログラムは国内外問わず人気を呼びそう。冬から早春が仕込み時期で、体験料は7千円(税込)。保存用の樽は別途880円。
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