割引キャンペーン利用は約4割、今後の宿泊旅行意向はやや縮小 日観振、コロナ禍下での旅行動向を調査
日本観光振興協会(山西健一郎会長)はこのほど、1年間の宿泊旅行についての「観光の実態と志向」調査の今年度版の結果を発表した。今年は新型コロナウイルス感染拡大という特殊な環境下にあることから、コロナ禍下での旅行への意識と実態を調査。割引キャンペーンの利用は約4割、今後の宿泊旅行への希望は縮小傾向にあるなどの実態が見えてきた。
国や自治体が実施している旅行に関する割引キャンペーンの利用経験は予定も含め36・7%。調査はGo Toトラベルの東京発着が解禁される前だったため、解禁後は数字が伸びていると推測される。
目的は個人的な旅行が37・7%で、4・0%のビジネス利用より圧倒的に多い。性・年齢別では男性20、30代、女性20代の若年層が多く、今後予定している層は男性60、70代以上が目立つ。
利用、利用予定のキャンペーンはGo Toトラベルが84・3%でトップ。自治体の施策は34・6%にとどまる。
コロナ禍の旅行で必要と感じる情報は「観光地の混雑状況」が52・4%で最多。「宿泊施設の混雑状況」40・3%、「観光地の感染症対策状況」40・0%が続く。情報の入手ルートは「旅行先の自治体のHP」が 50・0%でトップ。観光協会や観光施設、宿泊施設、旅行会社のHPも多く、SNSといった個人的なものよりも公的な情報を求める傾向が強い。
コロナ禍で注目を集める「仮想旅行体験(バーチャルツアー)」については、経験あり、予定ありはそれぞれ2%程度とまだまだ。ただ、今後の体験を希望する割合は 25・9%、なかでも男性10、20代で高くなるなど市場として成長する可能性はありそうだ。
コロナ禍がまだ続きそうな状況のなかで今後の国内宿泊旅行の予定を聞くと、意向ありは61・1%。前回調査の70・8%から減少した。意向を持つ人が志向する旅のタイプのなかでワーケーション4・8%、ブレジャーは 1・6%だった。
調査は毎年実施しており、今年は2019年4月―20年3月の宿泊旅行と今後の旅行への志向について実施。9月25日―10月2日にインターネットで全国の15歳以上の男女を対象に行った。有効回答数は2万。
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