トーマス・クックが破産を申請、創業は1841年
トーマス・クック・グループが9月23日、破産を申請した。1841年創業の世界最古とも言われる老舗中の老舗で、英国政府によるとグループの26社が精算手続きの対象となっているという。ツアーとグループ航空会社の航空券の予約はいずれも同日付ですべてキャンセルされ、店舗も営業を停止している。
英国民間航空局(CAA)によると、現在同社のサービスを利用して国外に滞在中の旅行者数は15万人超といい、CAAが10月6日までの2週間に渡ってチャーター機による帰国支援の計画を展開中。平時における帰還作戦としては英国にとって過去最大の規模という。エリアによっては他社便への振り替えとなる可能性もあり、案内のために24時間体制のコールセンターも設置している。
英国では旅行者保護を目的として、航空機を利用する旅行を提供する業者を対象とした制度「ATOL(Air Travel Organiser’s Licence)」をCAAが所管して運用。業者から取り扱い1人あたり2.5英ポンドを集め、営業停止などの事態が発生した際のリファンドや帰国支援に使用する。
トーマス・クック・グループは2019年9月期上半期(2018年10月1日~2019年3月31日)の業績で、収益が6.4%減の30億1900万英ポンド、税引前当期純損失が前年の3億300万英ポンドから14億5600万英ポンドに悪化するなどし、8月末には株式の18%を保有していた中国のFosun Tourism Groupと銀行側が4億5000万英ポンドずつを投じる再建計画を提案。しかし、その後に追加の資金調達などが求められ、最終的に破産を申請することとなったという。
なお、トーマス・クック・インド・グループは2012年にカナダ企業へ売却されており、今回の破産申請とは無関係。
情報提供 トラベルビジョン
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