“おかゆ”のようなツアー おもしろ旅行社、自粛からの快復促す
ウィズコロナ期に求められる「新しい生活様式」を取り入れ、旅行客のストレスを発散できる「大人の遠足―おかゆさんツアー」を大阪市平野区の旅行会社、おもしろ旅行社(外山比呂美代表)が実施している。
「おかゆは米密度が低く心身に優しいので、穏やかなツアーを表現するのにピッタリ。歩いて笑って免疫力をあげることができればと思って」と、ツアー名の由来を話す外山さん。外出自粛でなまった身体をウオーキングでゆるやかに快復するという発想だ。
ツアーは6月6、17、23日の3日間行った。大阪城大手門に集合し、大阪城内や薬のまちとして知られる道修町界わいを散策する。
外山さんの淡々とした語りとともに23日のツアーに参加した。少し前まで外国人客であふれかえっていた大阪城は、静けさが新鮮。秀頼・淀君自刃の地では思わず手を合わせたくなる。多くの人が訪れることが商売になる前提の観光だが、人が少ないことで観光の魅力が増し、その中で経済効果を考える時期が今なのかもしれない。大阪城を歩いてそう思った。
大阪城を出て大川沿いを北浜まで歩き、道修町へ。製薬会社が軒を並べるこの町には薬の神様、少彦名命を祀る少彦名神社が鎮座する。11月以外の毎月23日には献湯神楽という神事が行われている。ちょうど訪れた日が23日だったので神事に立ち会えた。
浪速神楽の式目の中の「湯立て」という神楽が奉奏され、白衣白袴の巫女が「湯花」を散らした。境内には「新型コロナウイルス感染症流行鎮静」と記された幟(のぼり)が印象的で、今こそ訪れておきたい神社だ。神社の入口には谷崎潤一郎原作の「春琴抄」に碑があった。この物語も道修町が舞台だった。
最後は、ツアーにちなんでレトルトのおかゆと、コロナを退散させると話題になったアマビエのグッズがお土産だ。
おかゆツアーは人気で8月18、23、27日にも催行が決定しており、そのユニークさが着目され、NHK「だめ自慢―みんなが出るテレビ」(7月25日放送)でも紹介された。
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