「広島へ千羽鶴を」子どもたちの思いを届ける ロイヤルツーリスト、修旅中止で社員アイデア
奈良県で数多くの修学旅行を手がけるロイヤルツーリスト(本社・奈良市、吉野福男社長)はこの夏、コロナ禍で広島へ行けなくなった児童の思いを伝えようと、事前の平和学習で児童たちが折った千羽鶴を広島へ届ける取り組みを始めた。
コロナ禍により全国の小中学校の修学旅行の中止や延期が続くなか、奈良県も例外ではなく、実施に踏み切った学校も県内や隣接府県など近隣への行先変更が相次いでいる。奈良県の場合、小学校の修学旅行先は広島が圧倒的だった。
そこで、同社では教育旅行に携わるメンバーで「広島に修学旅行へ行けない学校や児童に何か役に立てることはないか」と知恵を絞った。児童たちは、広島を訪れる前に平和学習の一環で千羽鶴を折り、旅行時には平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げていることに着目した。
その結果、同社社員が実際に広島へ千羽鶴を持参し、原爆の子の像に捧げている様子を撮影してDVDを学校にプレゼントすることにした。しかも、吉野社長の鶴の一声で「無料」で実施することも決めた。

広島の平和記念公園で
子どもたちの思いがこもった千羽鶴を捧げる
(イメージ)
すでに取引先の学校からは依頼が入っているそうだが「これまでお付き合いのあった学校だけでなく、奈良県内すべての学校に声を掛けて、1人でも多くの児童の思いを広島に届けたい」と同社の前田潤一さん。
コロナ禍で行き先変更を余儀なくされた子どもたちの心に平和の尊さを刻む、地元密着の旅行会社ならではの試みだ。
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