救済措置は25年3月まで 旅行業更新手続き、延長打ち止めに懸念も
24/01/29
観光庁は12月22日付で、旅行業の更新登録申請手続きに対して2025年3月まで弾力的な対応するようJATA、ANTA会長などに通達した。新型コロナウイルスの影響で、旅行業法の基準資産額を満たされていない旅行会社への救済措置。従来は24年3月までとしていた。
通達は、25年3月に更新登録の申請期限を迎える事業者が対象(実質的に25年5月に有効期間を満了する事業者)。更新登録申請書提出直近期の決算書で基準資産額を下回っていても、その原因が新型コロナウイルスの影響であると認められる場合、コロナ禍前の20年1月以前に確定した決算書を使って基準資産額を計算することで更新申請手続きを審査する。
ただ、観光庁では今回の通達を最後に、同種の救済措置は廃止するとしていることから、全国旅行業協会をはじめ救済措置の延長を求める声は小さくない。
ある旅行会社は「20、21年の赤字から国の旅行支援制度や補助金のおかげもあり着実に努力して、ようやく業績回復が見込めてきたが、資産を満たすまでに至っていない旅行業者は多い。廃止は納得できない」とし、更新申請ができず廃業せざるを得ない同業者が増えることを懸念する。
更新手続きの際の基準資産額は、第1種旅行業7千万円、第2種旅行業1100万円、第3種旅行業300万円、地域限定旅行業100万円だ。
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