地下河川を歩くアドベンチャーツアー 東武トップ春日部支店、首都圏外郭放水路に新コース
東武トップツアーズ春日部支店は4月16日、国土交通省江戸川河川事務所が管理する治水施設「首都圏外郭放水路」を使用した新コース・ツアー「地下河川を歩くアドベンチャー体験コース」を催行した。
約4時間のツアーには16人が参加し、公開中の地下神殿「調圧水槽」のほか、初公開となる「第3立坑」(地下トンネル)を見学。一般客のほか、学校や企業・団体からの参加も受け付けるなど、本格的な「防災ツーリズム」として、現在約6万2千人の有料見学会参加者を10万人まで拡大する起爆剤にする。
首都圏外郭放水路は、埼玉県春日部市内を走る国道16号に沿いながら、地底50㍍を貫く総延長6・3㌔、内径は10・6㍍のトンネルを有する世界最大級の地下放水路。13年の工事を経て、2006年6月から通水している。トンネルをつなぐ立坑は5つあり、深さは最大で71㍍ある。
今回開発されたコースは、新たなインフラツーリズムとして、未知なる体験を提供。従来から見学できる防災地下神殿や第1立坑に加え、新たに第3立坑を見学場所に追加し、防災の大切さ、技術者の想いや工夫を体験できる特別なコースとなっている。
ツアーは、災害の自分事化の伝道師である「防災コンシェルジュ」(東武トップツアーズの職員ら)が案内。集合場所となる首都圏外郭放水路地底探検ミュージアム「龍Q館」では、首都圏外郭放水路の概要や仕組みの説明を受けるほか、について、パネルや映像を使いながら説明を受けるほか、同館地下にあるポンプ室で「立軸渦巻き斜流ポンプ」「2軸式ガスタービン」を見学できる。
初公開となる第3立坑にはバスで移動。ウェーダー(腰まである長靴)に履き替え、深さ71㍍、内径31・6㍍の巨大な竪穴を上から覗き込めるほか、エレベーターで地下8階まで降りた底盤部でトンネル内などを散策できる。参加者からは「非日常のスケール感に圧倒された。この第3立坑だけで十分価値がある」と声が上がった。

初公開となった迫力ある第3立坑を見学
このほか、第1立坑でキャットウォーク1周、地下神殿の散策、神殿最奥部にある羽根車「インペラ」の見学も。
ツアー終了後には、参加者限定となる「龍Q館防災博士」の認定書が授与された。
開催期間は11月―翌5月で、定員が16人、料金が大人1人1万5千円。6―11月は梅雨や台風など降水量による水量増加から安全面に不安があり中断期間となる。5月に催行するツアーは、発売から2時間で完売している。次回の発売は2カ月前から公式ホームページでの予約を検討している。
ツアーを企画・運営した安原支店長は「新たに『観光の視点』で子どもから大人まで楽しく防災の知識を身に付けられるよう首都圏外郭放水路を情報発信基地としていく」と述べた。
首都圏外郭放水路を見学するコースは、地下河川を歩くアドベンチャー体験コースのほか、「地下神殿コース」「立坑体験コース」「ポンプ堪能コース」「インペラ探検コース」がなど用意されている。
国土交通省は「災害の自分事化」を通じて災害から国民の命を守ることを目指している。このほか、ツアーの実施には春日部市も参画している。
詳しくは首都圏外郭放水路のホームページ(https://gaikaku.jp/)まで。
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