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HACCP義務化に対応 全旅連シルバースター部会、会員向けに手引書作成

19/07/31

全旅連シルバースター部会(743軒、771軒、中村実彦部会長=長野県白馬村・ホテル五龍館)はこのほど、東京・平河町の都道府県会館で2019年度総会を開いた。全47都道府県から代議員が出席し、18年度事業報告と決算、19年度事業計画と予算を審議、承認した。任期満了に伴う役員改選では、中村部会長が再選された。

中村部会長は3月に「旅館・ホテルにおけるHACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理手引書」(A4判64ページ、厚労省HPで公開中)を制作し、全登録施設に配布したことを報告。「日本食品衛生協会の協力でまとめたもので、内容の周知に努めていきたい。手引書を参考に、HACCPについて研修を開いた県もあると聞いています。食協から講師を派遣していただくこともできますので、各県での取り組みもお願いします」と要請した。

全旅連シルバースター部会

HACCP研修の開催を呼びかけた中村部会長

18年6月、食品衛生法等の一部が改正され、HACCPに沿った衛生管理が制度化された。飲食店や旅館ホテルなど、対象は国内240万件に及ぶ。

HACCPは米国のNASAが1970年代に、宇宙食の安全確保のために開発した食品についての危機管理法で、90年代以降、食品加工事業者や大手食品チェーン店で採用され、現在、米国では小規模事業所でも義務化されている。

国内での制度化は、食品流通の国際化や多様化、食品製造工場での外国人労働者の増加といった環境の変化に加え、訪日外国人旅行者の増加や20年の東京オリンピックの開催が背景にある。

総会で衛生管理手引書について説明した日本食品衛生協会公益事業部HACCP事業課の岡本愛課長代理は「日本の食品衛生管理を国際水準に合わせようというもの」と趣旨を解説する。2年間を制度の周知期間として、その後、義務化される。

HACCPのポイントは調理工程での重要管理ポイントを「見える化」することで、食中毒などをなくし、安全な食を提供することにある。そのため▽衛生管理計画策定▽計画に基づいた実施に加え、実施したことの記録を残すことが重視される。記録は、食中毒などが起きたときの早急な善後策につながる。

衛生管理手引書には、衛生管理計画や重要管理ポイント、実施記録などのサンプル書式が付けられ、コピーや厚労省のHPからダウンロードすることで利用できる。岡本課長代理は「項目別に良・否を〇で囲む簡単な書式で、問題がなければ1日1行の記録ですみます。まず、取り組んでみてほしい」と要請した。

今回、シルバースター部会で衛生管理手引書を作成するなかで、初めてHACCPを取り入れた新潟の温泉旅館事業者は、総会会場で「最初、調理場からは大変そうだとの声もあったけど、すぐに慣れて、今は習慣になっています」と、記録をつけることを尻込みする必要はないと話していた。

シルバースター部会では、これまでも調査研究事業として、糖尿病や糖尿病予備軍に配慮しカロリーや糖質を抑えた研究をまとめた、冊子「健康志向のメニューづくり〜時代のニーズに応える健康ビジネスに向けて〜」や「旅館ホテルにおける食中毒の予防と対策」、ヘルスツーリズムの先進事例として群馬県四万温泉と長野県鹿教湯温泉を現地調査し食、運動、湯治、健康増進などを組み合わせた滞在プログラムづくりの指針となる冊子「湯治とヘルスツーリズム—インバウンドに対応するツーリズムの可能性」(A4判16ページ)などを作成してきた。

総会では、楽天トラベルの特別検索コーナーで会員の集客事業に取り組んでいることなども紹介された。

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