コロナ:宿泊業界が感染防止でガイドライン公表
政府が5月14日、全国を対象にしていた緊急事態宣言について、東京や大阪など8都道府県を除き、39県を対象から解除した。これを受け、各業種からコロナウイルスの感染防止と事業活動を両立させるためのガイドラインが一斉に公表された。
各業種では、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が 5 月 4 日、「業種ごとに感染拡大を予防するガイドライン等を作成し、業界をあげてこれを普及、実践するよう」求めたのを受け、ガイドラインの策定に取り組んでいた。
宿泊業界では、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟が3団体合同で、また、日本ホテル協会が単独でガイドラインを公表した。
感染防止の徹底で、宿泊客が安心して泊まれ、従業員が安心して働ける、コロナ以降に事業を継続できる宿泊業界を目指す。
対人距離の確保や清掃、消毒の頻度アップなど
宿泊3団体のガイドラインでは、感染防止策として接触感染と飛沫感染について、それぞれリスクの評価を行い、宿泊施設に対して、宿泊客、従業員に無症状感染者がいる可能性があることを踏まえながら、感染防止策を取ることを求めている。
そのうえで、①2メートルを目安とする対人距離の確保②フロントや大浴場、レストラン等に宿泊者が集中しないオペレーション③施設の定期的な消毒④従業員の毎日の体温測定と健康チェック-などを基本原則とした。
また、他者と共用する物品や、多人数が集まる場所を示しながら、消毒液の設置やマスク着用など、エリア別に感染防止策を求めている。
エリア別の主な留意点は次の通り。
ロビー 〇チェックインの際、発熱などの症状の申し出を呼びかける〇ゲストの待機位置の表示〇密集を避けるための工夫。客室でのチェックインへの変更など〇フロントデスクにアクリル板などの設置〇団体客に分散待機の要請
エレベーター 〇ボタンの頻繁な消毒〇重量センサーの調整などで乗車の少人数化
客室 〇ドアノブ、テレビ、空調等の供用部分の消毒〇空調機を外気導入に設定〇宿泊者に換気の要請
大浴場 〇入場人数の制限〇浴場での貸しタオルの中止
食事処理と宴会場 〇人数、滞在時間の制限と席の間隔確保〇従業員のマスク着用〇利用者に食事開始までのマスク着用の要請〇横並び配置の推奨〇お酌や回し飲み自粛の要請〇鍋料理や盛り付けの複数人向けから一人用への切り替え〇会場の換気強化
部屋食 〇料理運搬機器の消毒〇入室後、手指を消毒してから配膳〇従業員の入室回数の削減
ビュッフェ 〇セットメニューへの変更の検討〇スタッフによる料理の取り分け
客室や館内の清掃等の作業 〇マスク、使い捨て手袋の着用〇使用済みタオルは改修後に密封保管し洗濯へ〇ゴミ類はビニール袋で密封して処理
トイレ 〇トイレの蓋を閉めて汚物を流すよう表示〇ハンドドライヤーの使用中止
従業員の休憩所 〇一度の利用人数の制限〇常時換気〇入退室時の手洗い
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