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【観光業界リーダー年頭所感】西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 長谷川一明 氏

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。

平素より、JR西日本グループに対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼を申しあげます。

昨年は「JR西日本グループ中期経営計画2022」(中計2022)の3年目、折り返しの年度として、まためざす未来に向けて取り組みを深掘りする年度として、グループ一丸となって様々な取り組みを進めるべくスタートいたしました。

しかしながら新型コロナウイルス感染症の拡大により社会や経済、私たちの生活に極めて大きな影響が生じ、鉄道事業をはじめ、当社グループの各事業において、ご利用が大きく減少したほか、回復の見通しは不透明であり、かつてない厳しい環境に置かれています。

当社グループは、このような状況下においても「社会インフラ企業としての使命を守る」「お客様や社員の安全を守る」「社員の雇用を守る」「サプライチェーンを守る」という4つを基本方針として、あらゆる事業においてお客様・社員の感染防止を図り、安全を全力で守りながら使命を果たしてきたほか、感染症の影響による社会の変化に伴うお客様の新たなニーズに適応したサービスの提供にも努めてきたところです。

とりわけ、グループ全体の最重要課題である基幹事業としての鉄道事業の安全に関しては、ハード・ソフト両面から各種取り組みを進めてまいりました。今後も、コロナ禍による経営への影響やお客様の行動の変化といった様々な環境変化に対応しながら、安全性向上の取り組みを進めてまいります。

また10月には、当面する経営環境を踏まえつつ、社会の変化も変革の契機として、「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会」というめざす未来の実現に貢献していくため、鉄道の安全性向上と地域共生に取り組みつつ、経営の強靭化・構造改革と、変化対応力を高める企業改革を進めることを主眼に、中計2022の見直しを行い、「変革・復興期」としての取り組みを進めることといたしました。

コロナ禍による社会行動変容は、少子高齢化やデジタル化の進展で徐々に表れると思われていた将来の姿が前倒しで現れたものであって、当社グループが直面しているお客様のご利用の変化は今後も元の形には戻らないことを覚悟しなければならないと考えています。

そのような中においても、私たちは社会インフラを担う企業グループとして、また地域共生企業として、激しい社会の変化に適応しつつ、安全を確保し、CSを高めながら、より効率的な事業運営により使命を果たし続けなければなりません。

そのためにも、地域共生の深耕と新たな価値創造への挑戦、構造改革や変化対応力向上の取り組みを進め、「変革・復興」を成し遂げる必要があると考えています。

なお、基幹事業である鉄道の安全なくして、グループとしての「変革・復興」、そして将来の「進化・成長」は成し得ません。当社グループの最重要課題である安全の取り組みの原点は福知山線列車事故であり、事故の反省と教訓を重く受け止め、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、今後も「経営の3本柱」を経営の中軸に据えて、安全性向上に向けた不断の努力を続けてまいります。

2021年は、今後の基盤を築く重要な年となります。グループが一丸となって、変革のスピードを最大限に上げて、変化対応力の向上と事業構造改革の取り組みを進めてまいります。

皆様方のご健勝をお祈り申しあげ、ごあいさつといたします。

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