本格的な需要回復は秋以降、当面は外出避けた旅行への意向 じゃらんRC、コロナ影響調査
リクルートライフスタイル・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、消費者を対象に行った新型コロナウイルス感染症が与える旅行市場への影響についての調査結果をまとめた。夏休み前は外を出歩かない旅への意向が強いなど秋から来年に向けての消費者の意向が浮き彫りに。調査は感染者が再び急増した現在より前になるものの、需要回復期に向けた観光地や宿泊施設の戦略策定の参考になりそうだ。
希望する国内宿泊旅行の時期は、夏休み前は全体で6・2%、夏休み中は10・3%と、やはり低め。秋―年末になると26・2%と高くなるが、来年以降は23・8%、わからないが44・6%と現時点で慎重な姿勢を崩さない。年齢が高くなるほど慎重な傾向で、男性20代は夏休み前が17・1%と抜けて高く、若年層はやや早めの旅行再開に期待を抱いているようだ。シニアの回復は秋ごろからか。
時期別の国内宿泊旅行の旅行スタイルは、夏休み前は「自家用車で移動する旅行」が最高の56・2%。ほかの時期より「居住地の都道府県内の旅行」「宿泊施設にとどまり外をあまり出歩かない旅行」(22.5%)が高いなど、遠出・外出を避けながらの旅が現実的と考えているよう。秋から年末になると、外出緩和の意向も見られるが、自家用車の利用は依然高いままだ。
旅行の目的は、夏休み前は「地元の美味しいものを食べる」が52・8%でトップ。「温泉や露天風呂」「宿でのんびり過ごす」(40.4%)が続く、屋外型の旅行も人気に。夏休みに入るとテーマパークの需要も高まる。
旅行者が施設に求める感染症防止対策は、宿泊施設に対しては「従業員のマスク・消毒の徹底」が56・7%で最高。(56.7%)が最も高い。対策の情報を伝えてほしいという声も多い。
同センターの森戸香奈子研究員は「市場全体の本格的な回復は国内宿泊旅行市場の半数を占める50歳以上の需要回復が見込める秋以降。衛生対策は今後旅行を検討する際の重要な条件に。観光地に賑わいを求める声もあり、衛生対策と観光復興のバランスは今後の課題となりそう」としている。
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