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米消費者はランチや名物料理に高い関心 大阪観光局、「食のまち」ブランド向上へAmobeeと共同研究結果公開

20/08/11

大阪観光局(溝畑宏理事長)はこのほど、マーケティング事業を展開するAmobee Japanと共同で実施している、「食」を生かした大阪のブランド向上に向けた研究結果を公開した。

同局ではインバウンド観光対策の量から質への転換を図るなかで、食を重要コンテンツとして注目。欧米豪の富裕層などに向け、食がテーマのブランディングに注力している。その効果を最大化しようと今年2月から、両者が連携して英語圏のインバウンドの興味、関心について研究を進めていた。

観光で食を重視するアメリカの消費者が分析対象。その上で、参考都市として国内から大阪、京都、東京、海外からロンドン、パリ、バルセロナ、香港、バンコクを選定した。分析は各都市へのブランドイメージや関心のあるトピックを世帯年収別で行い、ブランド向上に向けた施策への課題を抽出した。

富裕層の「食」におけるブランドイメージは、他都市は「ディナー」が高いことに対し、大阪は「ランチ」が高い結果に。加えて「ストリートフード」というキーワードの高さも目立ち、「シェフ」「ミシュラン」といった高級なイメージの要素は海外都市より限定的という特徴的な結果が得られた。ただ、東京と京都も近い結果となり、「食」においてアメリカの消費者からはブランドイメージが国内都市ごとに区別されていない可能性があるという。

「シェフ」「ミシュラン」が高かったのは、アジアでは香港。富裕層だけでなく一般層も同様の結果からブランドイメージの高さがうかがえ、研究結果では香港からブランド向上の参考が得られるのではと示唆している。

さらに深掘りすると、イメージが似ていると判断される京都と比べ、大阪はたこやきやお好み焼き、串カツなど名物料理への関心が高いのも特徴。大阪とイメージが近い結果になったバルセロナは、富裕層もタパスやワインをカジュアルレストランで楽しむことに興味がある結果もあり、分析結果では「大阪の名物料理はカジュアルなポジションとして維持・拡大すべきで、高単価なポジションには別の食の体験を据える必要がある」と指摘している。

同局ガストロノミー領域担当の中村哲也さんは「アメリカ市場の富裕層と一般層、他都市との比較は参考になり、食のまちとしてのブランディングへの方策の糸口がつかめそうだ」などと話している。

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