観光資源の“棚卸し” 関西観光アド会議、兵庫県西宮市にまちづくり提案書
国土交通省近畿運輸局が設置している関西観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=京都外国語大学特任教授)が3月13日、2023年度の重点支援地域に選んでいた兵庫県西宮市に観光まちづくりへの提案書を交付した。吉兼座長と近畿運輸局観光部の藤原幸嗣部長が西宮市役所で、同市の石井登志郎市長に手渡した。
アドバイザリー会議は旅行会社や観光シンクタンク、鉄道会社、観光関連団体などに所属する14人の委員で構成。06年度から、近畿2府4県で支援を希望する自治体を選定し、観光商品化やマーケティングの視点から観光まちづくり推進の方策を提言している。
今年度の重点支援地域に選ばれていた西宮市は毎年、関西の住みたいまちランキングの上位に選ばれ、関西学院大学や神戸女学院大学、武庫川女子大学などが立地し文教住宅都市として知られている。ただ、えびす神社の総本宮・西宮神社や“野球の聖地”阪神甲子園球場、日本酒の一大生産地・灘五郷の2つを抱え観光コンテンツは豊富な反面、観光都市としての認知度は低かった。
アドバイザリー会議では昨秋、市内を視察。現地関係者と意見交換や複数回の会議を重ねて西宮市の観光まちづくりの方策を検討していた。
提案書では、市内のコンテンツを団体、インバウンド、個人客をターゲットに棚卸ししコンテンツ間の連携を促すよう提案。観光を活用し推進する「日本で一番住みたいまち」をコンセプトに、西宮市で暮らすように旅する“宮びと体験”の商品化、コンテンツの棚卸しを具体化する「フェノロジーカレンダー」の作成などを促した。
交付式で石井市長は「客観的な視点でヒントをいただいた」と話し、経済効果につながる観光施策に意欲を示していた。
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