訪日客、最速の3千万人超え 観光庁・村田長官「成長と共存の両立を重視」
観光庁の村田茂樹長官は、10月15日に行った定例会見で、訪日外国人旅行者数が1―9月の累計で前年同期比17・7%増の約3165万人となり、過去最速のペースで3千万人を突破したことを受け「インバウンドは引き続き力強い成長軌道にある」と述べた一方、地域偏在や混雑への懸念について「国民生活との両立を大前提とし、持続可能な観光の実現に向けた共存の取り組みを進める」と語った。
特に懸念事項に関しては「一部地域、時間帯への集中で生活影響や満足度低下が生じている」と現状を認め、オーバーツーリズムの未然防止や抑制パッケージに基づく支援を継続、強化していくとした。交通政策審議会観光分科会で進む観光立国推進基本計画の改訂についても「地方誘客の促進、対策の実装、必要な予算の確保まで含めて強化する」と述べた。
制度面では、訪日客の買い物需要を支える免税制度を「重要」と位置付け、来年11月に予定される新免税制度「リファンド方式」への移行を着実に実施する考えを示した。買い物代の一時的な伸び悩みを踏まえつつも「アジア市場を中心にショッピングの魅力は依然大きい。地方の免税店整備や地域産品の磨き上げで需要を拡大させる」とし、体験型商品の充実や長期滞在促進によるコト消費の底上げを図る方針も明らかにした。
また、10月13日に閉幕した大阪・関西万博については「大阪を主目的地とする国内旅行の延べ旅行者数が4―6月期に前年同期比約8割増となった。大阪府内のホテル稼働も上昇し、欧州圏の外国人宿泊客も増加した」と波及効果を紹介。訪日客の2次流動として京都、関東、奈良に加え、欧州客では広島、金沢、高山への滞在も見られたという。

大阪・関西万博の波及効果に言及した村田長官
さらに、2027年3月に開幕する「国際園芸博覧会(GREEN EXPO2027 横浜)」を見据え「大型国際イベントが継続して開催されることは好機。インバウンド誘客と海外旅行需要喚起の双方を促す国際交流を推進する」と展望を語った。
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