“便乗員“より添乗員
修学旅行に添乗員が同行しないケースが増えてきたと聞いた。貸切バスの運賃・料金の値上げや食事や宿泊費の高騰などに伴うものなのか判然としないが、単に旅行費用の削減であるならば危惧を覚える。
添乗員は、安全な団体旅行の根幹になる旅程管理を担う大事な存在だ。付帯サービスの一環として添乗員を不要とされるのは、旅行会社にとって不本意なことではないか。いち早くバスを降車し観光施設の入場をスムーズに促したり、旅館や食事施設に到着時間を連絡するなどして、予定通りの旅程を管理するだけではない。不慮の事故に巻き込まれたり、予期しないトラブルが起こった際に的確かつ最善な対応を行うのが添乗員だ。つまり、最前線で安心安全を担保する役割を担っている。
旅行会社に勤務している人に話を聞くと「自分の修学旅行の時にお世話になった添乗員の人が優しい上に格好良くて」などと、旅行業界の志望動機が添乗員だったという経験談も少なくない。
ある旅行会社の経営者は「添乗員が添乗員としての必要性を感じる仕事をしていないから、お客様も無駄と判断して、必要なしと思われてしまっているのかもしれない。我々にも反省点はある」。客と一緒に楽しむだけの“便乗員”ではなく、添乗員こそが旅行会社の矜持だ。
(トラベルニュースat 25年12月10日号)
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