KNT―CT、第3四半期決算で34億円の債務超過―新中計で巻き返しへ(1) 通期赤字は過去最大370億円に下方修正
KNT―CTホールディングス(米田昭正社長)は2月9日、2021年度3月期第3四半期(20年4月1日―12月31日)の連結決算を発表した。最終利益は前年同期から241億円マイナスの216億1500万円の赤字決算に。34億6300万円の債務超過に陥った。新型コロナウイルス感染拡大は経営を直撃、昨年11月に発表していた事業構造改革に取り組み、“集中と選択”による事業展開と経営合理化で巻き返しを期す。
第3四半期の累積売上高は前年同期比81・1%減の612億3400万円、営業利益は303億円減の261億9400万円の損失、経常利益は219億円減の174億8600万円の損失に。純損失はソフトウエアなどの減損の計上もあり216億1500万円だった。
通期業績予想は、昨年11月の前回予想から下方修正。Go Toトラベルキャンペーンの全国での停止が需要を下振れさせるとして、売上高は1400億円から870億円に減少、営業損失は250億円から355億円、経常損失は150億円から265億円へとそれぞれ拡大するとした。これに伴い当期純損失は170億円から過去最大の赤字となる370億円になると見込む。
同日実施した記者会見で、米田社長は「コロナ禍の影響で、創業以来一番厳しい経営環境に陥っている」と話した通り、厳しい数字が並ぶ。三宅貞行専務も「Go Toは通期決算時では今の状態が続き、海外旅行需要も戻らないと予測されるため、過去の決算とまったく異なる予想をせざるを得ない」と苦しい胸の内を語った。
ただ、債務超過となったものの財務状態については流動資産は前期並みに確保しており、金融機関と300億円のメントライン契約も締結していることから問題はないと判断。自己資本比率はマイナス3・9%と危機的な状況だが、米田社長は「2期連続での債務超過は上場廃止となるため、なんとしても避けたい」と危機感を募らせながら、同日発表した新中期経営計画による事業構造改革で「財務構造の改善を進め、早期脱出を図りたい」と意欲を示した。
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