自治体への過大請求 近畿日本ツーリスト、再発防止へ調査開始
近畿日本ツーリストは4月12日、新型コロナウイルスワクチン接種事業のコールセンター業務に関して、委託元の大阪府東大阪市に過大請求していたと明らかにした。この後、静岡県掛川市と焼津市でも同様の過大請求があったことがわかっている。
東大阪市の件は、近ツー西日本支社関西法人MICE支店が担当していた。不正は、コールセンター業務の設置する席数が東大阪市健康部保健所から指定されていたものより少なかったものの、保健所へは指定された席数を基準に人件費を請求していた。2021年3月受注分から22年12月受注分が対象で、過大請求額は税込みで2億8892万9850円に及ぶ。
コールセンター業務についてはマケレボに再委託しており、同社から保健所へ提出したコールセンターの勤怠履歴と、近ツーから保健所に提出されていた勤怠履歴に差異があり4月1日に発覚した。ただ、過大請求については22年3月の時点でMICE支店長は把握していたものの黙認していたことがわかっているという。
今後について、近ツーでは過大に請求した金額を東大阪市にすみやかには返納するとともに、親会社のKNT―CTホールディングス社外取締役と外部専門家による調査委員会で原因究明の調査を行い、再発防止策を講じるとしている。
その直後に静岡県2市でも同様な手口で過大請求していることが判明した。掛川市は約2200万円、焼津市は約4650万円の過大請求があったという。
これらの問題に関して、観光庁は4月21日に近畿日本ツーリストを指導。事実関係の調査と改善策の検討も求めた。
近畿日本ツーリストでは「関係者の皆様に対し、信頼を裏切り多大なご迷惑をおかけしましたことを会社として厳粛に受け止め、衷心よりお詫び申し上げます。二度とこのような事態を生じさせることがないよう再発防止体制を構築してまいります」とのコメントを発表している。
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