跡見女子大 篠原ゼミ 磯田萌絵、世界のリゾート研修(2) 日本が誇る宮古島の魅力と可能性
こんにちは。跡見学園女子大学観光コミュニティ学部で、観光政策や観光による地方創生を学んでいる4年生の磯田萌絵です。旅行会社から内定をいただき、来年4月に入社を予定しています。

跡見女子大 篠原ゼミ 磯田萌絵
「観光を学ぶ女子大生から見た日本の観光」
私は先日、ゼミ研修として「宮古島」に訪れました。沖縄本島から南西に約300キロ離れた宮古島は、美しい海と豊かな自然が広がる南国の楽園です。一方で、今回の研修で感じたのは、宮古島がただの観光地ではなく、そこに息づく生活文化や人々の営みが、世界のリゾートとしての魅力を支えているということでした。今回は「自然」「食」「人」という3つの視点から、宮古島の魅力とその可能性をレポートします。
1、美しい自然 亜熱帯ならではの環境
宮古島は、その透明度の高い宮古ブルーと呼ばれる美しい海と白い砂浜で有名ですが、島内を歩けば、海だけではなく、独特の地形や生態系に出会えます。サンゴ礁が作り出す美しいラグーンや、亜熱帯の植物が生い茂る森、そして島を囲む独特な隆起珊瑚の地形は、訪れる者を圧倒します。

早朝の与那覇前浜ビーチ
2、ここでしか食べられない美味しい食文化
次に「食」の魅力です。宮古島では、地元の食材を生かした料理が日常生活の中に自然に存在しています。ここでは宮古島でしか楽しむことのできない食文化についてご紹介しますね。
・宮古そば
具材を麺の下に入れるのが宮古島スタイル!このスタイルは宮古そば発祥当時、豚肉がぜい沢品であったため、税制への配慮として具材を隠していたとも言われています。ちぢれ麺を使用し、こってりしたスープで仕上げることが多い沖縄そばと違い、宮古そばは鰹出汁の効いたあっさりしたスープと、つるつるの平麺が食欲をそそります。毎日食べているゼミ生もいるほどでした。

バスツアー中にいただいた宮古そば
・ヤギ汁
島ではヤギはさとうきびを食べずに雑草だけを食べてくれる身近な家畜として、また貴重なタンパク源として重視されていました。現在では家畜としての頭数は減ってきていますが、お祝い事の際にはヤギ汁にして食べる伝統料理として残っています。
・さとうきびジュース
東平安名崎で出会ったのはさとうきびジュースのキッチンカー。農家のおじいちゃんが無農薬にこだわり栽培したさとうきびをぜい沢に3本使った生搾りジュースをいただきました。
宮古島ではたくさん見かけることのできるさとうきびを、素材を存分に生かして作られた甘くてすっきりとしたジュースはここでしか味わえません。

生絞りさとうきびジュースとキッチンカー
・雪塩
宮古島の美しい海水を、海の成分をできる限り多く残すことを目指して作られている雪塩は、一瞬で結晶化させるためさらさらの粉末状になり、そしてまろやかな味わいになるそうです。雪塩は、なんと乳製品にもとても合うのです。雪塩ミュージアムでは、お土産として有名なちんすこうをはじめ、乳製品としてソフトクリームも販売されています。雪塩を使ったソフトクリームは一層まろやかでおいしいだけでなく、フレーバー付きのトッピング塩をかけることで宮古島の味、雪塩を堪能できます。
宮古島の「食」は単なる栄養や味覚の満足ではなく、島の文化や人々の暮らしをつなぐ大切な要素です。
3、気さくで温かい人柄
最大の魅力は宮古島の皆さんの温かさです。
「人」――宮古島の魅力は、やはりそこで生活する人々の温かさに支えられています。研修中に出会った島民の皆さんは、観光客にも気さくに接してくださり温かい交流が生まれたことで旅がより素晴らしいものになりました。
最後は、私が旅の中で実際に体験した、宮古島の方々の温かい人柄を感じられるエピソードを2つご紹介します。
1つ目は、ランチの際の出来事です。事前に調べて訪れた食堂で食事を楽しみにしていたのですが、残念ながらお米が足りず、食事をいただくことができませんでした。別のお店を探そうと歩いていると、先ほどのお店の方がわざわざ追いかけてきてくださり、近くの別の食堂まで案内してくださったのです。そのおかげで無事、おいしい食事にありつくことができ、思いやりあふれる対応に深く胸が打たれました。
2つ目は、早朝の与那覇前浜ビーチへのご案内です。前日に宮古島市役所の観光商工課長である砂川晃徳さまとお会いし、観光についてお話しする機会がありました。その際に「東洋一といわれる前浜ビーチを訪れずに帰るなんてもったいない!」と仰ってくださり、翌朝、ホテルまで迎えに来てくださるという気遣いをいただきました。前浜ビーチには、朝日とともに月が見える「暁降」(あかときくだち)の時間に訪れました。
誰の足跡もない砂浜と、朝日で輝くビーチが広がる美しい景色を視野いっぱいに楽しみ、まさに東洋一の名にふさわしい絶景を堪能できました。
島の皆さまの温かさがあったからこそ、今回の旅は心に残る特別なものになりました。

与那覇前浜ビーチでポーズをとる筆者
4、『世界に誇るリゾート』宮古島を輝かせる3つの魅力
私は宮古島が世界のリゾートとして持つ可能性を強く実感しました。その魅力は、単に美しい風景やリゾート施設にあるのではなく、自然・食・人という3つの要素が互いに影響し合い、独自の生活文化を形成していることにあります。島の美しさは保護され、食文化は地域の生活と観光の双方に生かされ、島民の温かさが観光客に新たな体験を提供する。この三位一体の魅力こそが、宮古島を「世界に誇るリゾート」として輝かせているのです。
また、宮古島にはまだ大きな可能性があります。持続可能な観光の推進や、地域資源を生かした新たな体験型プログラムの開発、地域と観光客を結ぶ交流の場づくりなど、島の魅力をさらに高める余地は多くあります。学生記者として現地を取材し、実際に体験してみたことで、私自身も地域活性化や観光のあり方について考えるきっかけとなりました。
最後に、宮古島は訪れる人に自然の美しさや食の楽しさだけでなく、人々の温かさや文化の奥深さを体験させてくれる島です。世界のリゾートとして注目される宮古島ですが、そこに息づく生活文化こそが、本当の魅力であり、将来の可能性を広げる力だと私は感じました。

宮古島でお世話になった人たちと篠原ゼミ生
5、次回について
次回は、先日の天王洲キャナルフェス2025 AUTUMN&WINTERで実施したクルーズガイドについてレポートする予定です。次回もお楽しみに!
寄稿者 磯田萌絵(いそだ・もえ)跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 篠原ゼミ 4年。趣味:楽器演奏(フルート、トランペット、ピアノ、ギター)、スイーツ巡り、水景鑑賞。愛読書:「ステップファザー・ステップ」(宮部みゆき)。座右の銘:「どうせなら、総じてとびきり楽しい方がいい。」。好きな観光地:長瀞町(埼玉県)。今後の目標:国内旅行業務取扱管理者の取得、記憶に残る旅行企画の醸成。
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