学生による着地型企画 奈旅協が奈良女子大で講座
来年2月に奈良市で開かれる第20回国内観光活性化フォーラムのエキスカーションに、奈良女子大学の学生が考案したコースが登場する。一般社団法人奈良県旅行業協会(中島昭人会長)が今年4月から奈良女子大学で「なら学演習」を受け持ち、同協会の会員が講義、アドバイスしながら、奈良の着地型旅行商品を学生たちが考案。7月29日の授業で行われる審査に向けて、学生たちが奮闘している。
奈良県旅行業協会ではフォーラムの開催に向けて様々な取り組みを進める中で、これまで開催地で行ってきた「学生がつくる着地型旅行プランコンテスト」に代わって、学生のアイデアを旅行商品として具現化させようと奈良女子大学に打診。会員のやまとびとツアーズの堀井啓孝さんを中心に、なら学演習を担当する同大文学部の寺岡伸悟教授(観光学・社会学)と相談し開講に至った。月曜日朝一番の授業で必修科目でもないことから、当初は10―15人を想定していたが2、3回生を中心に留学生も含めて40人を超える学生が履修登録した。
6月16日の授業は中間発表として、堀井さんに加えて大紀観光の高倉恵三さん、エムビートラベルの川上顕慶さん、パインヒルトラベルの松岡岳史さんも参加。9グループに分かれ10の旅行企画を発表した学生にアドバイスとエールを送った。
天川村のキャンプや茶摘み体験を企画したグループに対しては「奈良を感じてもらう体験を深掘りしては」。宇陀市の薬膳・薬草ツアーには「課題、希望が具体的に示せているのでいいツアーになりそう」。独身男女を対象にした恋活ツアーには「桜の時期の吉野は人混みで実施が難しい」などとアドバイス。
また、野迫川村などで星空や雲海を見る写真映えツアーについては、車がないと行けないし泊まらないと体験できないからという企画意図に3人はうなずき「天候が悪い時にどうするか。雨の時のレクリエーションも考えてほしい」。コロナ禍で修学旅行ができなかった世代に向けた企画には「同世代で楽しい企画になるのでは」「バスや道中をどうするか。懸念点も掘り下げて」と伝えていた。

学生が考案した旅行企画に
ついて講評する奈旅協会員
全体を聞いて「私自身も勉強になりました」(川上さん)、「深掘りしていけば今までにないツアーができるのでは」(松岡さん)、「お互いにいいところをとって組み合わせても面白い」(高倉さん)などと感想を話していた。
中間発表後、学生たちはグループごとに集まり、奈旅協の会員も加わって企画内容の磨き上げに取り組んだ。
寺岡教授は「これを機会に、学生自身が奈良について詳しくなるとともに、新しい視点から奈良の魅力や観光ストーリーを創造してほしい」と期待していた。
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