名古屋―賢島に新観光列車「レ・サヴール志摩」 近鉄が26年秋投入、美食が誘う旅を提案
近畿日本鉄道(近鉄)が2026年秋、新観光列車を投入する。名古屋と賢島を結ぶ「Les Saveurs(レ・サヴール)志摩」で、同社としては初の本格的なレストラン列車。名古屋から首都圏からの利用者をターゲットに伊勢志摩への新しい旅を提案する。
10月30日、三重県四日市市の都ホテル四日市で記者会見を開き、同社の原恭社長は新型観光列車の投入の経緯について、「コロナ禍前から検討を開始した。食をコンセプトにした列車へのニーズが高いという調査結果から、食材の宝庫である伊勢志摩を目的地に、また、食事に定評のあるグループホテル・志摩観光ホテルを有することから今回の列車開発に至った」と話した。
ターゲットに関しては首都圏からの利用を意識し、名古屋発を選択。原社長は伊勢志摩の認知度が高くない点を課題に挙げながら「いいものを提供することで認知度を上げ、巨大マーケットである首都圏のお客を呼び込みたい」「将来的にはこれが軌道に乗れば大阪方面の検討も考えたい。いずれにしてもまずは今回の列車をきちっと定着させたい」と意気込みを語った。
列車のコンセプトは「美食が誘う、優雅な列車旅」。フランス語で「味」「風味」を意味する名を冠し、「本格的なフレンチを堪能しながら伊勢志摩への旅を優雅に楽しんでいただきたい」(近鉄・深井滋雄常務)という思いを込めた。

記者会見で新列車のコンセプトなどを説明
列車は特急車両を改造して開発。外観は志摩の海、開放感を連想させる深みのある青のメタリック塗装をメインカラーに、白のアクセントとゴールドのラインで高級感を演出した。4両編成で、本格的なフレンチコースを提供する4号車、比較的手軽なフレンチ膳が味わえる1・2号車、キッチンカーの3号車で構成する。上質感を感じられる内装を施し優雅かつ快適な旅を演出する。座席数は50席。

首都圏がターゲットの新列車(イメージ)
基本的に週6日、1日1往復の運行。往路が近鉄名古屋を11時10分発、賢島に13時30分着、復路が賢島を16時30分発、近鉄名古屋に19時30分到着を予定する。首都圏からの利用者を意識した運行時間に設定した。
運賃はフレンチコースが片道2万円台後半、近鉄・都ホテルズが監修するフレンチ膳コースは同1万円台後半を想定している。
フレンチコースは志摩観光ホテルの樋口宏江総料理長が監修。三重県の食材をふんだんに使い、熊野地鶏のコンフィやアワビのテリーヌ、伊勢エビなどのパピヨット、ビーフシチューなど本格的なフレンチを提供する。

フレンチコース料理のイメージ
樋口総料理長は「旅の時間の中で地域の食を味わうことをテーマに、五感で楽しめるメニューを考案した。車窓からの風景とともに味わうことで、一皿一皿がこの土地の物語になるようにと思いを込めた」と今回の料理への思いを語った。
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