こんぴら歌舞伎で地域文化を創生 琴平グランドホテル近兼会長、文化庁長官表彰を受賞(2)
近兼会長はこのほど自身の半生をまとめた回顧録「夢の実現に向かってこんぴらさんと共に歩んだ旅館人生―四国こんぴら歌舞伎大芝居35周年に思う」を出版。四国こんぴら歌舞伎大芝居への思いや歌舞伎役者との思い出などに多くのページが割かれている。
旅館業における半生については、高校卒業後に両親が経営していた仕出し屋を引き継ぎ「常にこんぴらさんのお膝元での旅館営業を」との思いでがむしゃらに仕事をしてきた結果、61年に念願だった旅館業を開業。現在の「桜の抄」や「紅梅亭」など複数の旅館を経営するに至ったいきさつを記した。琴平町観光協会長として温泉まつりなどのイベントに積極的に取り組んだ体験も事細かに書かれている。
旅館業界の活動については日本観光旅館連盟と国際観光旅館連盟との合併で現在の日本旅館協会が設立された経緯にも言及しており、読み応えがある。
このほかにも歌舞伎役者や観光・旅行業界のトップ、政治家など幅広い交友41人から近兼会長への思いを寄せた文章が掲載されている。
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4月3日には紅梅亭で出版記念祝賀会(発起人代表=琴陵容世・金刀比羅宮宮司)が開かれた。琴陵宮司や香川県の浜田恵造知事、JR四国の半井真司社長、四国運輸局の大谷雅実局長らが駆けつけ、出版を祝った。
あいさつに立った浜田知事は「こんぴら歌舞伎大芝居は讃岐の春を彩る風物詩として定着した。地域のにぎわい創出に尽力された近兼会長に敬意を表したい」と話し、これを受けて近兼会長は「歌舞伎の35年の歴史の中で様々なエピソードがあるが、何よりも今日皆さまをお迎えできたことが何よりも幸せだ。これからもご指導いただきたい」と話していた。

出版祝賀会で鏡開き
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