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【観光業界リーダー年頭所感】国土交通省近畿運輸局 局長 服部真樹 氏

あけましておめでとうございます。令和8年の年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は我が国のほか158の国と地域が参加して開催されました大阪・関西万博が無事に閉幕し、日本国内および世界の国々から多くの来場者を迎える中で、関西の魅力を改めて国内外に発信することができました。関係の皆様には、来場者の安全・円滑な輸送、市内での滞りない物流、関西一円の観光振興など、各分野において万博の円滑な運営に多大なご協力を賜りましたことに、心より感謝申し上げます。

本年は、万博を契機として高まった関西への観光の機運を継続し、関西地域の潜在的な魅力を十分に発揮させて、関西への一層の誘客の促進に取り組みます。

一方で、持続可能で安全・安心な交通体系の構築、観光振興を通じた地域の活性化やオーバーツーリズム対策、物流の効率化とカーボンニュートラルの実現など、交通・観光行政を取り巻く課題は多岐にわたります。当局といたしましても、関係機関の皆様と緊密に連携し、地域に根ざした施策の推進に努めてまいります。

交通・観光に関して、近畿運輸局では「大阪・関西万博後の持続的な観光振興」、「地域交通のリ・デザイン」、「生産性の向上・物流取引の適正化と人材の確保」、「交通の安全・安心の確保」および「環境・バリアフリー対策等の推進」の5つの柱を中心に取り組んでまいります。

昨年開催されました大阪・関西万博には、半年間にわたる会期中、国内外から一般来場者約2558万人、関係者を含む総来場者約2902万人もの多くの方々にご来場いただきました。来場者7割超の方々が総合的に満足されるなど、国民的なイベントとして盛り上がり、大きな成功を収めることができました。万博に関わられたすべての関係者に改めて感謝を申し上げます。

昨年4―9月の間の関西2府4県を主目的地とした国内旅行者数は前年同期比で約19%増加、旅行消費額は同約34%増加いたしました。

また、訪日外国人旅行者数は昨年1―11月の間、全国で過去最高の約3907万人となり、対前年同期比で17%増加と堅調に推移しております。

こうしたデータだけを捉えると、関西では観光需要のさらなる拡大が期待されますが、万博が閉幕した今、それぞれの観光関係者が万博に向け積み上げてこられた観光振興の取組に加え、さらなる施策を講じていかなければ、万博効果が薄れ、これまでの成果が萎んでいくのではないかと危惧しているところです。

関西は長い歴史と伝統文化、豊かな自然、独自の食文化など多彩な観光資源を有し、かつ個性ある都市が利便性の高い交通ネットワークでコンパクトに結ばれている上、日本の玄関口である関西国際空港を有するなど観光地として高いポテンシャルを持っています。

今後も、「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」の世界遺産登録に向けた動きや、2027年5月の「ワールドマスターズゲームズ2027関西」、さらに、2030年秋ごろに大阪IRの開業など、大きなイベントが予定されていることから、引き続き多くの方々を関西に呼び込む絶好の機会だと考えています。

当局としましては、万博に向けてこれまで各関係者が行ってきた取組を時代に合ったものに変化させるとともに、様々な立場の方々と連携を図って観光の裾野を広げながら、多くの人々が集まるイベントを着実に活かして、関西の観光振興を力強く推進してまいります。

一方で、国内外の観光需要は力強い成長軌道にありますが、都市部を中心とした一部の地域に訪日客が偏在している傾向があること、あるいは一部観光地に時期、時間によって観光客が集中し、過度の混雑やマナー違反により地域住民の生活への影響等が散見されるほか、観光客の満足度低下への懸念が生じています。そういった課題の解決のためには、「オーバーツーリズム」の未然防止対策や地方部への誘客促進を通じて観光客の集中を分散させることが重要と考えております。それぞれの地域実情に応じ、インバウンドの受入れと住民生活の質の確保が両立できるよう取り組んでまいります。

観光は、我が国の成長戦略の柱、地域活性化の切り札と考えております。今年度中には、観光の持続的な発展、地方誘客促進、消費額拡大などを柱とした来年度以降の近畿運輸局の新しい観光の取組方針を策定し、取組を進めてまいります。

新しい年を迎えるにあたり、近畿運輸局における施策・所信を申し上げました。関西経済の活性化を図るため、本年も全力を挙げて各種施策を推進し、交通・観光行政を通じて、国民の豊かで快適な生活の実現に貢献してまいりたいと考えております。

本年は午年。皆様方の事業の馬のような飛躍的なご発展と、皆様方のご健勝、ご多幸をお祈りするとともに、本年も引き続き、近畿運輸局の行政に対し、皆様方からご理解、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

年頭所感

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