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上高地 ほとんどが休業続けるなか、ホテル白樺荘が営業再開

20/05/26

河童橋や穂高連峰の景観で知られる、日本を代表する山岳高原観光地、上高地(長野県松本市)。5月14日に長野県の緊急事態宣言が解除され、県から宿泊施設に対する営業自粛要請が15日に終了した後も、ほとんどの施設が休業している。そうしたなか、河童橋のたもとに立つ上高地ホテル白樺荘が5月16日から営業を再開している。

夏の上高地

年間を通じてマイカーの乗り入れが規制されている上高地へは、5月16日に新島々(松本市)と上高地を結ぶ路線バスが1日3往復で運行を再開した。岐阜県平湯温泉から上高地への路線バスは、県境をまたぐため運休が続いている。

ホテル白樺荘で広報を担当する光嶋宣敬さんは、「1日3往復の路線バスが再開し、少ないですがハイキングなどで上高地を訪れる人もいます。休業を知らずに訪れる人もいますし、売店やレストランなど、全部が閉まっていては申し訳ない気持ちがありました」と、営業を続ける理由を説明する。宿泊のほか、売店、カフェ、レストランを営業している。お茶菓子のサービスも始めた。

ただ、国や長野県が、引き続き県を超える移動の自粛を呼びかけるなか、宿泊を呼び込む方策は限られている。長野県民を対象にした割引宿泊プランを販売しているが、1日の宿泊者数が10人を下回る日も多いという。

光嶋さんは、「群発地震も収まってきましたし、コロナがさらに収束し、県境の往来が自由になったら、多くの人に上高地でリラックスしてほしいですね」と話す。

ホテル白樺荘のテラスカフェ

上高地では、入口にあたる大正池の傍らに立つ大正池ホテルが、5月20日に宿泊営業を再開したが、大正池から奥のエリアではキャンプ場も含め、ほぼすべての施設が休業している。バスターミナルの上高地インフォメーションセンターは開いているが、環境省の上高地ビジターセンターも休館している

上高地も含め、北アルプスの多くの山小屋が加盟する北アルプスス山小屋友交会も、コロナウイルス感染拡大防止のため、加盟施設の7月14日までの休業を決め、期間中の登山の自粛を要請している。そのため上高地でも一部を除き、7月中旬からの営業再開を予定している宿泊施設が多い。

上高地への路線バスは6月1日から新島々-上高地線が1日6往復に増えるほか、平湯温泉-上高地線が1日8便で運行の再開を予定している。

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