五輪選手と料理人 感謝の心を忘れず日々鍛錬
先日まで開催されていたミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは連日熱戦が繰り広げられ、日本選手の活躍に大きな感動をいただきました。最年少16歳から41歳のベテラン選手まで、それぞれが長年積み重ねてきた努力の成果を発揮し、世界の舞台で輝いておられました。日々の練習に多くの時間を費やし、遊びたい時間や娯楽の時間をも自ら律しながら努力を重ねてきた結果であることに、深い敬意と感銘を覚えます。
情報化が進み、インターネットを開けば瞬時に知識を得ることができる時代となりましたが、真の技術は情報だけで身につくものではありません。若いころに自ら包丁を握り、魚をさばき、野菜のむきものを行うことで体得した技術は一生の財産となり、決して失われることはありません。
しかしながら現代では労働環境の変化により、技術習得に十分な時間を確保することが難しくなっている現実もあります。技術とは一朝一夕で身につくものではなく、長年に渡る不断の努力と経験の積み重ねによって培われるものです。オリンピック選手が頂点を目指して日々鍛錬を重ねるように、料理の世界においても日々の積み重ねこそが未来の名人を育てる礎になります。
オリンピックで特に印象的だったのは、表彰後のインタビューで多くの選手がまず家族や指導者、関係者への感謝の言葉を述べていることです。頂点に立つ選手であっても、自分ひとりの力ではなく多くの支えの中で今があることを理解し感謝を忘れない姿勢は私たち料理人にとっても見習うべき大切な心です。
一方、日本の観光業界に目を向けますと、訪日外国人旅行者数は過去最高を更新し、インバウンド需要は力強い回復と成長を見せています。宿泊業・飲食業にとっては大きな機会であると同時に、観光地の混雑や人材不足など新たな課題への対応も求められています。これまで閑散期とされてきた2月においても春節を中心にアジア各国から多くのお客様をお迎えし、満館となる施設が増えていることから、日本の食文化に対する関心の高さを現場で実感しております。
和食は、2023年にユネスコ無形文化遺産に登録され、日本が世界に誇る文化として認められました…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2026年3月10日号)
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