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ワーケーション最前線 HafH(ハフ)が提案するリゾート滞在の新たな価値①

20/12/28

COVID19にレガシーがあるなら

2020年の新語・流行語大賞は「3密」に決定したが、これを含めてノミネートされた対象候補語30のうち半数以上がダイレクトにCOVID19(コロナ)に関係するものとなった。「ワーケーション(Workation)」も今年の新語・流行語として堂々ランクイン。ワーケーションとはワーク(Work=働く)とバケーション(Vacation=休暇)を組み合わせた造語で、自宅を離れリゾート地や観光地などからテレワークで働きながら、仕事から離れた時間には休暇を楽しむというスタイルを指す。

アメリカでこの言葉が使われ始めたのは意外に古く、約20年前。ノートパソコンやインターネットが急速に普及する中で、ITリテラシーの高い業界人たちから徐々に浸透して行った一方、コロナ以前の日本では在宅勤務制度の導入さえも遅々として進まず、ワーケーションに至っては会社の保養所等で「休暇中に働くこと」を意味していたケースがほとんどであった。

この状況はコロナで一変した。コロナ後のワーケーションは場所に捉われず働く環境が整い、お気に入りの場所で仕事することで、通勤や職場のストレスを減らし、日々の充実感を上げ、ワークライフバランスの向上につながる働き方、生き方としてすっかり定着した感がある。

遊牧民(ノマド)が牛や羊などの家畜と共に旅を生活とするようにIT機器とお気に入りの遊び道具と共に旅をしつつ働く「ノマドワーカー」、「デジタルノマド」、「アドレスホッパー」と呼ばれる人たちも珍しくなくなりつつある。著名なノマドワーカーであるピーター・レベルズ氏は「2035年には人口90億人に増加する中、労働人口60億人中の約半数がフリーランスで働き、10~30億人がリモートワーカーとなるだろう」と予測している。www.nocsdegree.com/pieter-levels-learn-coding/

「そこまで行くか」は別としても、最近ではWIFIを備えたカフェはすっかりコワーキング(Co-working)の人たちの仕事場と化し、主としてインバウンド向けだった敷金・礼金不要のゲストハウス、シェアハウスは場所を選ばず働ける人たちのコリビング(Co-living)の場として一般化しつつある。

とは言え、誰にとっても在宅勤務は飽きてしまうし、カフェでいつまでも粘り続けるわけには行かない。シェアハウスは楽しいけど、1カ所に留まるのは退屈だ。場所が選べるのであれば、時には森の中で木漏れ日を浴びながら、あるいは潮騒に癒されながら働いて、仕事が一段落すれば好きな趣味に没頭したい・・・こういうところに進化型コリビングとしてワーケーションの可能性があるのだろう。

AIやIoT等デジタル革命、DXがどこまで進化するのかは予測不能だが、確かに言えることはもはや我々はコロナ以前の生活には戻れないこと、そして人間は旅を通じて出会う人々、文化、景色、感動を愛し、求め続けることだろう。

KabuK Style(カブクスタイル)のHafH(ハフ)、2019年に誕生

2019年1月、長崎でKabuK Style(カブクスタイル)というベンチャーが創業した。カブクスタイルの社名は「歌舞伎」の語源となった「傾く」から名付けられ、ちょっと他人と異なる自分らしい粋なライフスタイルとして「HafH(ハフ)」という定額制コリビングプラットフォームを提案している。https://www.kabuk.com/

カブクスタイル代表の2人は共に九州出身のミレニアル世代。一人は金融業界出身の砂田憲治氏で、もう一人は広告業界出身の大瀬良亮氏だ。今回、沖縄滞在中の大瀬良氏にインタビューできた。

カブクスタイルの大瀬良代表。ワーケーションの素晴らしさを熱く語る

大瀬良氏は1983年長崎出島生まれで五島列島育ち。2007年に電通に入社し、2019年に退職するまでの12年間、出身地長崎の在京県人会を主宰したり、原爆の実相を3Dマップにアーカイブして文化庁メディア芸術祭に出展するなど幅広く活動。

転機になったのは2015年から3年間政府に出向し、ソーシャルメディ アスタッフになったこと。世界中を飛び回り超多忙な生活を送ったが、その間に「世界から見た日本のポジションや多様な価値観に触れて自身の成長を実感すると共に東京に住み続けることに危機感を感じ、PC、WIFI、携帯さえあればどこでも働けると確信した」と言う。

そして出向から電通に戻った大瀬良氏を待っていたのは働き方改革。思いっきり働きたくても働けないもどかしさや閉塞感を感じ、世界を舞台に「電通人らしく働く」ために同社を退職し、ハフに専念することになった。

26カ国・265都市、430のホテル旅館と提携

ハフ(HafH)とはHome away from Home(自宅から離れた自宅)の略語だという。世界各地で自宅のように快適でリラックス出来る生活拠点に好きな時に好きな場所で働くための住まいが見つかる定額制サービスであり、現在、長崎、福岡、東京の自社運営施設5カ所を含め世界26の国と地域、265都市に430の拠点を有している。「毎月定額で、世界中を旅しながら働くハフを長崎から世界に広めたい」と大瀬良氏は目を輝かせる。

ネイバー(ご近所さん)と呼ばれるハフの会員になれば料金に応じてこれらの拠点の好きな場所で働きながら休暇も楽しむことができる。自社運営施設以外の拠点は「ドミトリー」と呼ばれる個室のないタイプのコリビング施設(主としてゲストハウス)や個室のある豪華なホテルや旅館と提携している。

ネイバーの料金プランは月3000円で2泊(2021年1月より1泊)宿泊できるという「おためしHafH」から最大5泊の「ちょっとHafH」、最大10泊の「ときどきHafH」、1カ月通しての利用も可能な「いつもHafH」という4つのプランが用意されている。

「いつもHafH」の通常料金は82000円だが、Go Toトラベルキャンペーンで35%オフとなり、53300円で1カ月間好きなところに滞在が可能となる。基本的には「ドミトリー」となるが、「HafHコイン」と呼ばれるマイレージを貯めて使うと個室が利用できる。

例えば通常月間32000円(Go To割引後20800円)で最大10泊利用可能な「ときどきHafH」プランの場合、契約時に200コインが付与されるほか、当月の利用が10泊に満たない部分は翌月にボーナスコインとして還元されるシステムだ。貯まったコインをホテルのグレードに応じ1泊50~100コイン(+)を使ってホテルを利用するというわけだ。

しばらくゲストハウスばかりに泊まったりお休みしたりしてコインを貯めて、ある月は思い切り豪華にホテルに泊まるという使い方も出来るなど、自分なりの利用方法が可能となる。コインはアンケートに答えたり、友達を紹介したりしても貯められるが、売買はできない仕組みになっている。(つづく)

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