感染症と人権の啓蒙 全旅連、旅館業法改正控え学ぶ
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長=石川県・ゆけむりの宿美湾荘)が新型コロナウイルス感染症に関する人権問題やハンセン病問題に対して、正しい知識の啓蒙と普及に取り組んでいる。
全旅連ではコロナ禍の中、感染が明確な場合などを除き宿泊を拒否できないと規定されている現行の旅館業法に対して「感染が疑われるのに正当な理由なく感染対策を拒んだ客に対し、旅館ホテルが宿泊を拒否できる」ことなどを盛り込んだ旅館業法の改正を政府へ要望していた。
ただ、この法改正の要望に対して一部の組織・団体から「感染症患者への差別や偏見を助長するのではないか」「障害者や難病患者への差別や偏見を助長する」「障害者や難病患者への宿泊拒否な差別的な扱いにつながる」ことなどを懸念する声もあがっている。
そのため昨年秋の臨時国会で、旅館業界の要望を受けた形で政府が法改正案を提出したものの、成立までに至らず、継続審議となった。
全旅連では旅館業法改正の内容を正しく理解しようと、全国47都道府県の理事長が出席した第2回理事会で、法務省人権擁護局調査救済課の江口幹太課長を招き「感染症と人権」について正しい知識を学ぶ機会を設けた。
江口課長は「新型コロナウイルスに感染したことを理由に解雇された」などの事例を紹介したほか、2003年にハンセン病療養所の入所者がホテルの宿泊を拒否された問題についても言及。ハンセン病問題から多くを学び「病気についての正しい知識の普及と啓発を徹底してほしい」と呼びかけた。
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