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観光の力が求められています

今年もコロナに始まり、秋以降少し落ち着いたと思ったらオミクロン株で年始を前にまたぞろ喧しくなってきました。とうとうコロナ時代も3年目に突入です。

異常が常態化してしまい、2022年こそ「ウィズコロナ」でやっていくしかありませんね。

新年はどんな1年になるのでしょうか。

暮れに来社した地域活性化に取り組む知人は「第4の開国に備えている」。何のこと?と聞くと、第1の開国が幕末、第2の開国が第2次世界大戦後、第3の開国は小泉政権下での観光立国宣言、そして第4は「アフターコロナ」と言います。コロナ禍が収束し移動・交流が本格化する時に立ち遅れない準備をしているのだ、と。第3の開国はオーバーツーリズムが課題になったように量が主体でした。でも、第4の開国は、自地域の「質」を高め主体的に土俵にあがり、世界はもちろん国内各地の人から選ばれる地域にすると言い切ります。

そして彼が言う第4の開国のキーワードは「サスティナブル」。環境も人も観光資源もすべて持続可能な受入態勢を構築しておかなければならない…云々。その上で、お金が循環する仕組みとして、彼が考えたのはDX化。年配の女性と若年女性にターゲットを絞った地域外ファンづくりをITによって構築しようというものです。詳細は省きますが、年配の女性の親心によって次世代のファンを醸成し、サスティナブルな地域づくりを進め、それが選ばれる観光地づくりにもつながるということでした。

確実に言えるのは、日本に限らず世界で気候変動に起因した天変地異が繰り返し起こるなど、地球環境の保全はまったなしです。そして、日本で世界で進む分断化。その予兆は以前からありましたが、コロナ禍が不寛容な社会を助長し分断を進展させたのは間違いありません。

サスティナブルで寛容な社会を私たちの元に取り戻すのは、たぶん政治の力ではなく一人ひとりが自分事として捉えていかなければならないと思います。はい!「観光の力」の出番です。人と人が交流し理解し合えて、地球と親しむ機会を作ることが観光の力こそ今求められていると思います。

感染と不正受給が拡大しなければ、1月下旬にも再開されるGo Toトラベルキャンペーンがそのホップになることを願わずにはおられません。旅に出て笑顔の輪を広げていける、そんな2022年になればいいですね。

今年もウェブ版「日刊トラベルニュース」をご覧いただき、ありがとうございました。

来年も、どうぞよろしくお願いします。よい年をお迎えください。

株式会社トラベルニュース社編集部
編集長
富本 一幸

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