捨てるものから美味しい料理 eff21、食品ロス削減へ教室
食からの環境保全に取り組むeff(イーフ)21倶楽部(中田泉理事長)がこのほど、大阪市内で「プロが教えるリサイクル料理教室」を開いた。全日本調理師連盟の会長で、テレビの料理番組などでも活躍する福井幸男さんが講師を務めて、食材を余すところなく使い美味しい料理をつくる意義、調理テクニックを伝えた。
本来は食べられるのに廃棄されている食品は年間約643万トン(2016年度農林水産省の推計値)に上る。国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)においても飢餓問題や環境保全の観点から食品ロスの削減は最重視されている。旅館ホテルをはじめ観光業界でも食品ロスの削減は、経営上からも避けては通れない問題だ。
イーフ21倶楽部はSDGsに共感し設立した団体で、リサイクル料理教室を開催するのは今回が初めて。講師の福井さんは1996年から「食材という命をすべていただく」という理念でリサイクル料理を実践、普及に努めてきた。
料理教室では「カブラと大羽イワシの煮浸し」「カブラの皮と海老の蒸し物」「彩り天婦羅」「味噌汁」「ふりかけご飯」の5品を作った。カブラの軸や皮はミキサーにかけて蒸し物の一部に、イワシの中骨や尾は電子レンジで乾燥させ、ミキサーでパウダー状にしてふりかけに使う。
福井さんは「プロの料理人は、みりんと醤油は1対1の同分量で、味は出汁で調整します。いい食材で、美味しい料理をつくるのは当たり前。捨てるもので美味しい料理をつくるのが料理人。リサイクル料理の特長はパウダーにすること。パウダー状にすることで食べやすくなります」などと、リサイクル料理の意義や術を話した。
中田理事長は「この10 年で地球の未来が変わります。捨てるものが美味しくなることを伝えていきたい」。今後、リサイクル料理教室を定期開催していくという。
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