勝尾寺へシャトルバス実証運行 キューズモール、阪急交通社と連携(2) パーク&ライドで波及効果を生む試み/大阪
そこで、小嶋副住職は「勝尾寺への移動に価値を創造」することを考えた。思いついたのは商業施設との民間連携。みのおキューズモールは1千台を超える乗用車を収容する駐車場がある。マイカーで訪れた参拝客は駐車場に車を停めて、バスに乗り換えてもらう。まさにパーク・アンド・ライド方式の実現を思いついた。「集客コンテンツの勝尾寺が、地域を巻き込みステークホルダーを増やしていく。それぞれ得意分野がある民間が連携することで波及効果を生む。バスの運行は、点だった寺を面に転換するきっかけになるとも思いました」。

達磨が奉納されている境内を案内する小島さん
キューズモールの支配人は二つ返事で快諾。駐車場代は正規に徴収するが、バス乗客にはキューズモールで使えるクーポンを配布する。バスに乗ってお買い物という経済効果を見込んだ。
路線バスの転用は難しいため、旧知の阪急交通社の酒井淳社長に相談。企画商品としての扱いでバス運行も決まった。
シャトルバスは、事前購入で1500円、キューズモールのインフォメーション窓口の当日購入は1995円で販売。勝尾寺の入山料や前述の買い物クーポンを付けた。
シャトルバスを運営した阪急交通社地域振興部の佐場淳司によると、期間中約900人が利用した。「雨天時の集客など課題もありましたが、初めての試みとしては好感触でした」と話す。

シャトルバスの車両
また、コミュニティバスの停留所をシャトルバスが利用できるようにするなど支援した箕面市交通政策室の馬場健一さんは「渋滞緩和に一定の効果があり、市民も利用する機会にもなりました」とし、市のパンフレットなどにもシャトルバスを掲載したという。
小嶋副住職は、2023年度末にみのおキューズモールまで延伸する北大阪急行の延伸も見据える。「梅田、新大阪から一本の列車で来ることができます。遠来客やインバウンドも視野に勝尾寺の集客力をエリア全体に波及させていきたい」。シャトルバスは年末年始に運行するほか、四季を通じて走らせる計画だ。「私は渋滞知らず、を定着させたいですね」。
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