【観光業界リーダー年頭所感】東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 深澤祐二 氏
謹んで新年のお慶びを申しあげます。
平素より、JR東日本グループに対し、格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申しあげます。
昨年、日本の鉄道は開業150年を迎えました。大勢の皆さまの支えのもとに鉄道が日本の発展をけん引してきたという歴史の重みを踏まえ、次なる100年、150年に向けて、JR東日本グループがどのような価値を提供し、サステナブルに社会に貢献していけるか、2023年をそのスタートとして取り組みを進めていきたいと思います。
当社グループでは、経営のトッププライオリティである「安全」をベースに、グループ経営ビジョン「変革2027」で示した方針のレベルとスピードを上げて各施策に取り組んできました。「新幹線YEAR2022」に合わせた需要喚起、各地域でのMaaSの展開、「Beyond Stations構想」や大規模ターミナル駅の開発などを進めるとともに、鉄道オペレーションコストの1千億円削減を掲げ、山手線で自動運転をめざした実証運転試験などに取り組みました。さらには、「エネルギービジョン2027」の策定、JRE MALLでのふるさと納税拡大など、ESG経営を実践し収益力の向上とコスト構造の柔軟化をはかってきました。これらに加え、コロナ禍で大きく落ち込んでいたご利用の回復により、2022年度第2四半期は、3期ぶりにすべての利益で黒字を確保することができました。引き続き、グループ社員が一丸となって、通期の黒字化をめざしてまいります。
本年は、新たな時代へ飛躍をめざし、さらなる環境変化に対応するとともに、これまでのコロナ禍の状況からモードチェンジして攻勢に転じていく年になります。具体的には、茨城DCや海外プロモーションによる積極的な需要の取り込み、上越新幹線の速度向上などの輸送サービスの拡充、オフピーク定期券の導入による運賃制度の変革、新たな改札システムによるSuicaエリアの拡大などに取り組みます。また、品川開発プロジェクトなどの多様で魅力あるまちづくりを着実に進めるとともに、不動産事業における回転型ビジネスを充実させ、「攻めの戦略」を加速してさらなる収益力の向上をめざします。加えて、スマートメンテナンスや設備のスリム化の推進などにより、鉄道事業の経営体質を抜本的に強化します。「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の推進や地域・世代をつなぐ「JRE Local Hub」の開業など地方創生にも取り組み、地域の皆さまとも協働した幅広い施策を展開し、SDGsの達成をめざします。
これらをスピーディーに実現するために、昨年より本社から現業機関まで組織再編を進めています。また、運輸事業とそれ以外を5対5とするために進めているグループ全体としてのビジネス・ポートフォリオの見直しを、今後も加速させていきます。グループの社員は、この厳しい経営環境においても、各職場での日々の地道な業務を着実に遂行しながら、前向きに様々なチャレンジを続けています。これまで以上にフレキシブルに働ける環境を整え、業務移管や権限移譲を積極的に進め、社員の活躍できるフィールドを拡げて果敢なチャレンジをさらに後押しして、お客さまや地域に近い場所で価値を創造していきます。
2023年も、当社グループの力を結集して、輸送、生活、IT・Suicaの3つのサービスの融合により新たな価値を創造し続けることにより、ステークホルダーの皆さまのご期待に応え、将来にわたり社会の発展に貢献し続けるサステナブルな企業グループとして真価を発揮する一年としてまいります。
末筆ながら、皆さまのますますのご健勝とご発展を心よりお祈り申しあげ、年頭のごあいさつといたします。
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