大阪兵庫連携で万博契機に広域観光圏(3) ホテル進出ラッシュとインバウンド増へ期待
ここ数年関西地区へのインバウンドの入込が増加。2024年は1~6月の半期で約643万5000人。コロナ前の2019年と比べ3%アップ。大阪観光局では2024年の通年に入込数は約1400万人と想定し、2019年の1231万人を大幅に上回るとしている。2025年の万博開催時には、1550万人。万博の入場者数の推定が2820万人、万博へのインバウンドが約350万人、約12%を占めるとのこと。
そして2025年春、韓国の航空会社の大手、大韓航空が神戸空港とソウル(仁川国際空港)を結ぶ国際チャーター便が就航する。毎日運航し、午前と午後の1日往復を目指すという。仁川空港は世界有数のハブ空港で、大韓航空は世界33か所10都市に就航。となれば、神戸から世界へ、世界から神戸という世界への玄関口ともいえよう。関西空港と併せて世界と日本、関西を結ぶインフラとして期待がかかる。加えてGW(ゴールデンウィーク)には、ベトナムもチャーター便が就航する。年3回往復する計画で、関西・西日本周遊ツアーを企画しているという。
こうしたことを背景に、大阪や京都を中心に外資系ホテルの開業ラッシュが続く。「センタグランドホテル」(中央区)「パティーナ大阪」(中央区)「ウォルドーフ・アストリア大阪」(北区)「フォーシーズンズホテル大阪」(北区)「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」(中央区)など世界的なホテルチェーンのアッパークラスのホテルブランドが24年から25年にかけて次々に登場。これに対して既存ホテルは、老舗「リーガロイヤルホテル」(北区)が館内大改装し、来春グランドオープン。同時にIHGグループの「ヴィニェットコレクション」に加盟し、世界市場を狙う。また「なんばオリエンタルホテル」(中央区)「神戸ポートピアホテル」(神戸市)などが客室やレストランなどを改装オープン。国内外のホテルブランドが新旧取り混ぜて進出し、関西エリアのキャパシティは確実に拡大している。
万博後の観光需要が気になるところだが、大阪地区では、30年秋頃の大阪IR(統合型リゾート)の開業、リニア中央新幹線が45年頃開業予定と追い風が吹いている。『好況時に不況の時を考えよう』という言葉があるように世界から人々が関西にやってくる大阪・万博を契機に、さらに関西観光の魅力を世界にアピールしていこう。
(井村日登美)
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