旅館コンサルへの道
18歳で運転免許を取った伊藤忠自動車を、引き止められて退職できたのが入社1年半後の9月末日でした。狙った外国語学科を持ち、入学金や学費が最も安い1校に絞り、その大学の入試日までわずか5カ月。
月1回、職安に通って失業保険金をもらいつつ、自宅で独学。高校時代の担任教師の不安を裏切って合格でき、思惑どおり4年間を自由に過ごして、卒業しました。
卒業後、目的もなく輸出専門商社に入社したけど面白くなく、半年で退職。転職した2社でもやる気にならず「普通のサラリーマンは面白くない、何か良い職業はないか」と、ぐうたら働きながら探しているうちに新聞求人広告で「観光関係の講師」という字に目が引き寄せられました。すぐ面接に訪問して話を聞き、面白そうだと興味が沸いて、即決採用となりました。
こうして大学卒業1年半後の1964年秋に出会った観光経営センター(以下TMCと略称)で25年、働くことになります。日本マネジメント協会というコンサル会社のホテル旅館コンサルタント部の5人が分離独立して設立した会社で、セミナーが大きな収入源の一つでした。
まずその現場を経験するよう入社直後の11月、客室主任訓練講座で箱根へ、続いて12月に5泊6日の支配人養成講座。毎年末に開催しているこの講座の会場は常に千葉県南房総鴨川の吉田屋であり、売却移転新築して鴨川グランドホテルとなってからも継続した当社の看板セミナーでした…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2020年6月10日号)
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