料理長とは-期待以上の仕事をしよう
「観測史上初」という言葉が行きかう、例年を上回る暑さ、そして大雨による様々な被害、地震もありました。近ごろの自然には人間も右往左往させられております。全国各地、不安な気持ちでこの季節を過ごされている方も多いと思います。
このような中でも、日々一生懸命仕事に立ち向かうのが日本人の良いところでもありますが、私が回らせていただいている旅館では、従業員の休みの取り方などでいろいろと問題が起こっているようでした。部下をまとめていかねばならない料理長が、忙しい日を狙ってお休みを取り、それを有給休暇として処理しようとしていたようです。
有給休暇を取ることは社員としては当然の権利なのですが、お客様の入りが少なく空いている時ではなく、わざわざ忙しい時に合わせて有給を取るという気持ちに落胆いたしました。そのような行いは、部下も見ているものです。下を育てるためには、まずは上の者が見本とならなければいけませんが、どうも肩書にばかりあぐらをかき、勘違いしてしまう者もいるのでしょう。
今は外部からのコンサルタントなどが料理の献立を作り、名前を決め、厨房全体の予算管理なども任せてしまうところもあります。ここまでくると、もはや「料理長」という肩書などいらないようになってしまうのではないでしょうか…
(大田忠道=料理人集団「天地の会」代表)
(トラベルニュースat 2018年9月10日号)
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