跡見女子大 篠原ゼミ 磯田萌絵、持続可能な地球のために 地域と人々をつなぐ旅行会社の奮闘
「観光を学ぶ女子大生から見た日本の観光」

上野英三郎博士とハチ公像と篠原ゼミ生
JTB地球いきいきプロジェクトに参加して
こんにちは。跡見学園女子大学観光コミュニティ学部で、観光政策や観光による地方創生を学んでいる4年生の磯田萌絵です。私は先日、JTBガイアレック主催の地球いきいきプロジェクト「歴史を学ぶ『中山道ウォーキング』と巣鴨地蔵通り商店街 クリーンアップ活動」に篠原ゼミ生6人で参加してまいりました。江戸時代に整備された五街道の一つである中山道と、その最初の宿場である板橋宿は、かつて江戸を出発した旅人が最初に泊まる場所としてにぎわい、旅籠(宿)や商店が多く並んでいました。今回は、そんな中山道の今も残る史跡や地名をガイドとともに巡り、江戸時代の中山道にタイムスリップしてきました。

江戸時代の装いをする筆者と篠原ゼミ生
「地球を元気に、人を笑顔に。」JTB地球いきいきプロジェクト
「JTB地球いきいきプロジェクト」とは、JTBグループが開催する環境美化や、人と人との交流を通じて、そこに関わる全ての方々とともに『地球を元気に、人を笑顔に。』を理念に掲げたプロジェクトで、お客様とJTBグループの社員が一緒になり、元気な未来を創造していく活動です。観光地での清掃活動をはじめ、自然環境の保全活動、歴史や文化の学習体験など、地域の特色を活かしたプログラムを展開しています。日本全国のみならず、世界各国で開催されており、今まで参加人数は1982年から2024年までの延べ13万人にのぼる、歴史のあるプロジェクトです。
今回の「歴史を学ぶ『中山道ウォーキング』と巣鴨地蔵通り商店街 クリーンアップ活動」ツアー
江戸と京都を結ぶ重要な役割を残した「中山道」。今回のツアーでは、江戸時代から現代に至るまでの中山道の歴史をガイドの解説を聞きながら、板橋から日本橋までの今でも残る歴史スポットを訪れました。道中の「巣鴨地蔵通り商店街」ではクリーンアップ活動を行い、環境保全や持続可能なまちづくりに取り組み、江戸の歴史と現代の課題を同時に体感できる日帰り街歩きツアーです。
それでは早速ですが、訪れた中でも筆者の印象に残るスポットについて、順を追ってレポートしていきます。
江戸時代の板橋宿 お姫様も信じた!和宮降嫁と縁起榎
1861年、皇女和宮とその大行列が、将軍・徳川家茂に嫁ぐために京都から江戸へ中山道を通って向かいました。江戸直前の宿場が板橋宿であったために板橋宿は「将軍の正妻となる皇女を迎える最後の宿場」として、板橋宿内の建物は修復・新築が行われ、その費用として金1412両、銭166文9分が費やされたそうです。中山道の板橋宿のはずれには「縁切榎」と呼ばれる木が立っていました。この板橋宿の縁起榎はいつの頃からか男女の悪縁を絶つ霊験がある縁切りの「霊木」とされるようになり、更にこの木の下を嫁入り行列が通ると、必ず不縁になるとまで言われるようになったようです。和宮降嫁の際には、縁切榎を迂回するルートが使われ、和宮一行もこの言い伝えを信じていたようですね。現在でも史跡として残っており、だれでもお参りできます。

縁切榎
新選組のリーダー近藤勇の最後の21日間
歴史の授業で必ず耳にするといっても過言ではない新選組の局長である近藤勇も、この板橋宿と深い関係があります。江戸時代末期、近藤勇が戊辰戦争で捕らえられ処刑されるまで過ごし、「供養塔」(お墓)が建っているのもこの板橋宿です。現在では、近藤勇が「大久保大和」という偽名を使って出頭し正体を見破られた「板橋宿本陣跡」、その後に幽閉された「板橋宿平尾脇本陣豊田家跡」、処刑された場所の近辺とされる「馬頭観音(石山家跡)」、近藤勇が埋葬されている供養塔に訪れることができます。
ガイド伊藤さんの小話 ~江戸の三大珍獣~

ガイドの伊藤さんと江戸の三大珍獣の資料
江戸の三大珍獣はご存知でしょうか。「享保の象」「寛政の鯨」「文化の駱駝」と呼ばれ、これらは江戸時代に特に注目を集めた珍しい動物たちのことです。このなかのラクダが、江戸に入る前に板橋宿の「平尾宿名主家跡」にとどまっていたそうです。板橋にラクダがいたなんて、今では想像がつかないですね。ちなみに、寛政の鯨は品川沖にやってきて天王洲で捕獲された鯨のことで、天王洲アートクルーズで私たちがガイドした「目黒川水門」にはこの「しながわ鯨」が描かれています。こちらもなにかの縁を感じます。
巣鴨地蔵通り商店街ととげぬき地蔵
おばあちゃんの原宿という通称で親しまれる巣鴨地蔵通り商店街。そして、ここに隣接しているのがとげぬき地蔵です。「とげぬき」とは江戸時代、毛利家の女中が誤って針を飲み、もがき苦しんでいるところに居あわせた僧侶が「地蔵菩薩の霊印」を写し取った紙札「御影」を飲ませたら、針が紙札の地蔵尊を貫いて口からでてきたのが「とげぬき地蔵」の由来です。
「地蔵菩薩の霊印」は、3センチメートルにも満たない小さな「木のふしのようなかたちをした印」のことで、この印に現れた「延命地蔵菩薩の印像」が本尊だそうです。地蔵尊影をうつし取った紙札は本尊の分身分霊であり、「御影」(おみかげ・おすがた)として、本尊の霊前で役僧が信者らに授与しています。御影には人々の悩みや苦しみ、病気やケガ、心願成就の妨げになっている障害物を「とげ」として抜くちからがあるとされています。現在も本尊延命地蔵菩薩の写しが五体包まれている御影がお土産として人気であり、御影を 足腰など、身体の痛いところにテープ、湿布薬などと一緒に貼り、日常の生活用品などに貼り、これによってお地蔵さまに見守られ、ご加護を願う方々も少なくないそうです。

巣鴨地蔵通り商店街 とげぬき地蔵尊本堂入口
商店街では参加者それぞれが分かれてゴミ拾いを主とした清掃活動を実施しました。しかし、よく探さないとなかなかゴミは見つからず、それだけこの商店街が人々に愛されていることを実感しました。
東京大学構内、ハチ公
忠犬ハチ公像と言えば、渋谷駅前のハチ公がおすわりをしている像ですね。しかし、この像はハチ公だけではありません。飼い主である上野英三郎博士とハチがじゃれ合うこの像は東京大学農学部キャンパス構内で見ることができます。何故ここにあるのでしょうか。それは秋田犬ハチの飼い主上野英三郎博士は東京帝国大学農学部の博士であったことがあまり知られていないため、この像が建立されたそうです。上野英三郎博士の嬉しそうな表情とハチの楽しそうに尻尾を振る様子が見る人の心を温かくするような素敵な像ですね。
「地球を元気に、人を笑顔に」地域と人をつなげるツアー
今回の中山道ウォーキングはツアー参加者同士の交流を楽しめただけでなく、実際に歩いて歴史をたどることで、普段とは違う景色が見えてきました。江戸時代の人々の営みに思いを馳せるうちに、まるで当時にタイムスリップしたかのような錯覚を抱きました。さらに、ツアー参加の皆さまと長い距離を共に歩いき、新たな発見やその時々の気持ちを共有しながら交流することで、より充実した時期を過ごすことができました。もう目的の一つであるクリーンアップ活動では、人と人の交流が生まれる商店街に感謝を込めて奉仕することができ、心が洗われるような晴れやかな気持ちになりました。
このプロジェクトを担当されたJTBガイアレック総合企画部の石原晴信さんは、本ツアーに込めた思いついて次のように語ってくださいました。
「今回のプロジェクトの目的である、『環境保全と住み続けられるまちづくりについて学ぶ』とともに、参加いただくお客様に楽しんでいただくために、当日の行程や時間配分などを考えました。ツアーを終え、お客様からも『楽しかった』などの満足いただけた声とともに、『綺麗な街を維持できることに貢献したい』など、今後の環境保全を意識したコメントも頂いたので、今回のプログラムがお客様に良い影響を与えることができ、手ごたえを感じております。」
さらに、協力いただいたガイド団体である「東京シティガイドクラブ様」についても、次のように述べています。
「今回ご協力いただいたガイド団体『東京シティガイドクラブ様』は関係を構築するうえで事前の打ち合わせやメールでのやり取りの中で、ガイドの方との齟齬(そご)が発生しないようにすること、また齟齬が発生した場合は、コミュニケーションをとり、双方の要望を把握し最適な対応ができるよう心がけております。」
このお話から、プロジェクトの成功には、ツアー当日におけるお客様とJTBグループの社員との交流だけでなく、ツアー造成の段階から関係者との信頼関係を築くことを大切にしていることが分かります。
地球の環境を守ることは、地球に住み、その恩恵を受けている私たちが果たすべき重要な義務です。特に、平和産業である観光業においては、その重要性がますます高まっています。2015年の国連サミットで開催された「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が、加盟国の全会一致で採択されてから、その中核となるSDGsの達成に向けた取り組みが世界各地で進められています。この動きは、環境変化に対応をしなければ、我々が当たり前に享受している生活が将来維持できなくなる恐れがあるからです。そのような状況の中で、JTBグループは旅行会社の使命である人々の交流から生まれる学びや体験と環境保全活動をかけ合わせた「地球いきいきプロジェクト」を展開しています。お客様とJTBグループの社員で一緒になり、そこに関わる全ての方々とともに「地球を元気に、人を笑顔に。」という理念の実現に取り組んでいるのです。
次回について
次回は、「ANA X㈱ 神田真也社長との対談」についてレポートいたします。次回もお楽しみに!
参考リンク
JTB地球いきいきプロジェクト|サステナビリティ|JTBグループサイト
JTB地球いきいきプロジェクト 検索結果|サステナビリティ|JTBグループサイト
こうぶんしょ館電子展示室53号「和宮と板橋宿」|板橋区公式ホームページ
寄稿者 磯田萌絵(いそだ・もえ)跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 篠原ゼミ 4年
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