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IR最前線をボストンに取材③ ウィングループ代表に聞く

IRの日本進出に関する意気込みをウィングループ全体の社長兼CFOであるクレッグ・ビリングス氏に尋ねてみた。

横浜への熱い思いを語ってくれたウィングループのビリングス社長

Q. ウィングループの次の拡張や新規市場進出についてどう考えているのか?

A. ウィングループはアメリカとマカオでIR事業展開をしており、既存施設の拡張計画はあるものの、日本への進出が最優先事項になっている。

Q.数ある国々や市場の中で何故日本が最優先されているのか?

A. 日本の最大の魅力はまず大きな市場規模だ。日本国内はもちろんアジアをはじめ世界中の人々が日本に魅せられて、インバウンドは非常に大きな伸びを示している。それに加えて、日本政府及び各自治体が非常に厳しい関連法令や規則を整備しており、安心して取り組めるのも大きい。さらに日本国民は目や舌が肥えていて、伝統的にも高い品質のサービスを志向することから、ウィングループの5つ星のおもてなしをきっと気に入ってもらえると確信している。

横浜市を希望、従業員規模は16000人を想定

Q. 日本の中ではどの都市を意図しているのか? また、その理由は?

A. 横浜の山下埠頭地区への進出を希望している。大阪や他の関東エリアも検討したが、ウィングループにとっては横浜がベストであるとの結論に至った。JRや私鉄の駅から至近であり、中華街やみなとみらい地区と隣接、野球場やサッカー場、劇場といった娯楽施設とのアクセスも良いのが大きな魅力。

Q. どのくらいの規模を想定しているのか?

A. ボストンハーバーの4倍以上の規模を想定している。具体的には従業員規模は約16,000人、ホテルの客室数は4,800室、4つの劇場と巨大なMICE(国際展示場・国際会議場)を備えるものになる。その一方でカジノ施設は総面積の3%程度に留まる。

Q. 他にも横浜進出を希望しているIRオペレーターがいると了解しているが、ウィングループが指名を獲得する自信は?

A. まだ詳細を話せないのが残念だが、日本では有力なパートナーと組んで地域融合型の素晴らしい計画を準備している。このプランが明らかになれば、きっと日本の皆様にも気に入っていただけると信じている。横浜と日本の魅力を世界に向けて発信したい。

Q. 大型IR施設が近隣にできると宿泊客や商品販売を奪われるとして脅威に感じている観光業者、小売業者がいるが。

A. ボストンでも当初は同様の懸念の声があった。しかし、今は全くなくなり、却って感謝されている。我々は16,000人の人々が働く全く新しい街を横浜に生み出す。この街には国内外から年間数千万人の人々が訪れることになる。この賑わいが生む経済的波及効果は周辺の観光業や小売業を営む皆さんにも大きく貢献することになると思う。

 

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