安全安心なクルーズの確立へ 国交省、中間とりまとめ発表
国土交通省は9月18日、感染症・危機管理の専門家を含む多様な有識者からの意見を踏まえ、「クルーズの安全・安心の確保に係る検討・中間とりまとめ」を公表した。中間とりまとめに合わせて、関係業界団体が策定したクルーズ船および受入港の感染症対策に関するガイドライン(国内クルーズが対象の初版)も明らかにされた。
中間とりまとめは(1)ダイヤモンド・プリンセス号等事案の検証について(2)クルーズの再開にあたって(3)関係者の役割分担について(4)安全・安心確保に向けた具体的措置(その制度化を含む)について(5)実効性担保のあり方について(6)国際的なルール作りを含む主導的役割のあり方の6項目。
このうちクルーズの再開にあたっては、第一段階として第三者認証取得など準備の整ったクルーズ船と受入港から、国内のショートクルーズをトライアルとして実施する。第二段階は、第一段階のトライアル結果などを踏まえ、得られた知見をガイドラインに逐次反映した上で、本格的に国内クルーズを実施する。これらを短期的措置とした上で、国際クルーズについては、水際対策の状況や他国の安全・安心対策との調和に留意しつつ、ガイドラインの検討など所要の準備を進める―としている。
また、安全・安心確保に向けた具体的措置については、クルーズ船の寄港受入に際し、ガイドラインへの適合を確認するとともに、都道府県などの衛生主管部局を含む地域の関係機関で構成される協議会などにおける合意を得た上でクルーズ船を受け入れる▽船内で感染者が確認された場合、次の寄港地での陸上隔離などを実施後、速やかに下船港(発着港を基本)に向かう―などとした。
ガイドラインについては、日本外航客船協会のガイドラインと日本港湾協会ガイドラインの2つ。乗客の事前スクリーニング(検温、質問票など)、船内ではマスク着用、手洗い、消毒、健康管理の徹底など予防策を明記。設備についても船内施設の座席数減、間隔確保、換気の実施などのほか、有症者発生時の拡大防止として船医による診療、船内隔離、イベント中止などを記した。受入港については、クルーズ船の旅客や乗組員、ターミナルビルの従業者の間の感染防止の徹底などを記載した。
同省では今後もクルーズの安全・安心の確保のための検討を行い、最終的にとりまとめる。
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