地方版GoToで平日旅行喚起 日観振、観光立国推進計画へ提言
日本観光振興協会は10月10日、政府が策定中の「第5次観光立国推進基本計画」に向けた提言「観光の持続的成長を目指して~第5次観光立国推進基本計画策定に向けて~」を公表した。
2030年の政府目標である訪日外国人6千万人、消費額15兆円の実現を見据え、観光を「第二の輸出産業」と位置づけ、量から質への転換による「持続的成長」と「稼ぐ力」の両立を求めている。
提言は①観光需要の拡大②自律的観光の推進③観光財源の安定的確保④国際競争力の強化―の4分野。観光需要拡大では、日本人の海外旅行促進を図るためパスポート手数料の引き下げや修学旅行費の無償化検討を提案。
国内では「ラーケーション」や地方版GoToトラベルの実施により平日旅行の定着と地方誘客を促すとした。また、地方空港の活用強化や農林水産物・クールコンテンツなどの輸出促進も盛り込んだ。
自律的観光の推進では、DMOの法的権限付与や民間参画の拡大を提唱し、観光を地域経営の柱とする体制づくりを求めた。観光を「憧れの職業」とするため、小中学校の社会科で観光教育を取り入れるほか、宿泊業従業員の労働環境整備、多言語対応やガイド人材の育成も重点に据えた。
さらに、住民満足度を重視し、地域とともに観光地を守り育てる「スチュワードシップ」型経営の導入を提案。AIによる来訪管理や違法民泊の取締強化など、オーバーツーリズムへの対応も求めた。
また、宿泊税や国際観光旅客税を活用したDMO財源の安定化、免税制度の維持、MICE誘致や高付加価値旅行者の取り込み、災害・感染症対応力の強化なども盛り込んだ。協会は「観光を基幹産業として確立し、経済成長に貢献する」としている。
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