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自然災害のリスクに備える 「全旅協・旅行催行中止保険」を創設、“泣き寝入り”から旅行代金10%補償

20/10/28

近年、台風の上陸や地震など激甚災害が相次ぎ、交通機関の運休や欠航、旅行先の甚大な被害が多発している。その結果、旅行会社は自社で催行する旅行を中止せざるを得ない上、取消料を顧客に請求できないという事態に陥るケースが少なくなかった。旅行取消に係る損失は旅行会社が負担しなければならず、いわば“泣き寝入り”の状況だった。

そんな自然災害など不測の事態に備える保険制度「全旅協・旅行催行中止保険」が10月15日からスタート。損失補償を保険制度で対応することができないかという全国旅行業協会(ANTA)会員の声に応えたものだ。

制度は、東京海上日動火災保険の協力を得て、ANTAが保険契約の契約者となり、保険会社との間でANTA会員の企画旅行催行中止の場合の損失を補償する。

具体的には、ANTA正会員が企画した募集型企画旅行または受注型企画旅行を、自然災害などによる不測かつ突発的な事由の発生により催行を中止した場合の損失を補償する。突発的な事由には、交通機関の運休・欠航、宿泊施設の休業、そのほかのインシデントを指す。

また、事由については▽台風や大雪などによる交通機関の運休・欠航▽道路の通行止め▽宿泊施設の営業不能▽地震・噴火・津波▽日本国外での暴動・テロ▽旅行先における甚大な災害の発生(政府が指定する激甚災害)があたる。貸切バスでの旅行が道路不通のため催行できないケース、旅館ホテルのボイラー故障による温泉入浴ができないといった事例も該当する。

掛金は国内・海外旅行ともに企画旅行代金(税抜き)の0・55%。例えば、沖縄への20人の団体旅行で旅行代金が500万円だった場合、掛金は2万7500円になる。

支払われる保険金は、催行を中止した「企画旅行代金の10%」。先の沖縄の例では50万円が支払われることになる。

保険加入は旅行出発日の14日前まで。そのため、加入時に申告した金額で固定され、変更はできない。支払限度額は1会員当たり1年間で1千万円が上限になる。

関西で記憶に新しいところでは、2018年9月に直撃した台風21号。関西空港が閉鎖され、海外航空会社との取消料や海外ホテルのデポジットの回収などで辛酸をなめた旅行会社は少なくなかった。別の事例では、旅行会社が旅館ホテルなどに取消料を支払わずに、受入機関を泣かせることも散見された。

中小旅行会社を対象としたおそらく日本初の保険商品。観光業界の健全な発展につながる機会と捉えることも可能だ。

全旅協・旅行催行中止保険の問い合わせは、旅行ビジネスサポート 電話03−6272−9704まで。

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