旅館ホテルで初受賞 なにわ一水(松江しんじ湖温泉)がユニバーサルデザイン国際表彰
島根県松江市・松江しんじ湖温泉の「なにわ一水(有限会社なにわ旅館・勝谷有史社長)」がこのほど、ユニバーサルデザインに関する国際的な表彰「IAUD国際デザイン賞2020」で金賞を受賞した。旅館ホテル業界が受賞するのは初めて。
なにわ一水は「障がいのある人もない人もみんなで一緒に泊まれる温泉宿」を目指して14年かけて段階的に改装。これまでにも、2016年にバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞し、17年には松江市長から表彰を受けるなど、様々な取り組みを行ってきた。
IAUD国際デザイン賞は、一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会がユニヴァーサルデザイン社会の実現に向けて、特に顕著な活動や提案を行っている団体・個人を表彰。英国王立芸術大学院のロジャー・コールマン名誉教授を審査委員長に国内外の有識者らが選定している。
審査委員会では、なにわ一水の選定理由を「魅力的なユニヴァーサルデザインです。バリアフリーというだけでなく、みんなにリラックスできる場所であり、すべての人のための観光としての心を動かされる実例です。温泉は日本の文化ではとても重要ですが、以前は身体に何らかの機能制限がある人は利用することができませんでした。なにわ旅館は、長い間様々な努力を重ね、インクルーシヴな体験を提供できるようにしました。これは、ユニヴァーサルデザインの原則に確固たる信念をもって継続的に努力し、ユーザーから学んだ結果、達成したすばらしい実例です」と評した。
![表彰](https://www.travelnews.co.jp/img/4936c444d15e3709a3d654ed94f29193-600x400.jpg)
島根県の丸山達也知事(左から2人目)に受賞を報告する勝谷社長(同3人目)
同館では「顧客へのユニバーサルデザインを重視することで、なにわ一水で働く従業員にも同様に優しい職場環境を生み出しています。誰もが旅行しやすいユニバーサルツーリズムの実現を目指し、これからも引き続き推進していく」としている。
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