団体旅行は日本固有の文化 池の平ホテル&リゾーツ・矢島社長が語る供給側とは
長野県立科町の池の平ホテル&リゾーツは、今年創業70周年を迎えた。同ホテルは2023年4月、白樺湖畔の立地を全面に「THE LAKE RESORT」をうたい、温浴施設やダイニングを充実させたほか、コンベンションホールや宴会場など団体客誘致に注力する方針を打ち出した。「団体旅行は日本固有の文化」だと訴える矢島義拡社長に、リニューアルオープンから2年を経た現状や今後の考えを聞いた。
個人化への違和感と団体受入の努め
―創業70周年を迎え、その間、御社が果たしてきた役割をどのように捉えていますか。
弊社の創業は、道路も電気も水道も通っていない山中にある農業用のため池であった白樺湖に、農地開拓として入植した開拓者というルーツから始まります。標高1500㍍の自然豊かな環境に人の手を加えてきたからこそご提供できる、四季折々の時間空間の価値への自負を持ちつつ、お客様のご要望に応え鍛えられる中で一つ一つ接客業・観光業としての力を蓄えさせていただきました。
創業よりお客様に自然美や人工美の調和を提供させていただきながら、お客様に新たな旅のあり方を提案し続けてまいりました。その結果として地域や旅の価値を上げていくことに寄与する役割の一端を担えていければと思います。
―2年前の全面リニューアルの際、これから積極的に団体旅行の受入を強化していくと仰っていました。現況は?
コロナ禍で決断したリニューアルですが、その際に強く胸に決めていた姿勢として、あらゆる形態のお客様にお越しいただける施設であり続けるという思いがありました。特に団体旅行については、宿泊業界全体に進んでいた個人化への強い違和感があり、団体旅行を安心して実施いただける供給側の努力を絶対に絶やしたくなかった。
現状の実績としてはリニューアル前の対比で池の平ホテル全体で約3割、団体様に限っては約1割伸びており、今後もより多くの方々から評価をいただけるよう努力していく所存です。

ホテルや観光施設は地域のショーケースと話す矢島社長
(白樺湖畔で)
―団体旅行でどういった点が評価されていると思っていますか。
200人以上の大型団体や30人以下の小規模団体が伸びています。業界全体で個人特化が進むなか、コンベンションや小中規模会場の新設といったハード面、団体のお客様の要望に対し的確に応じることできるスタッフがいるというソフト面、この両方がそろっていることにご満足いただけているようです。これからもお客様からのご期待にお応えできるよう、団体様の対応に熟練したスタッフの育成を引き続いて進めてまいります…
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