中高生のアイデアで地域活性 全国高校生地方鉄道交流会、大阪・岬町で11校参加し開催
鉄道好きな中高生が鉄道による地域創生を考え発表する「全国高校生地方鉄道交流会」が今夏、大阪府岬町で開かれた。同町を走る南海電気鉄道多奈川線をテーマに、関西空港の利用者を多奈川線に誘客する方法についてアイデアを出し合うもので、全国各地から11校が参加。各校のチームは、多奈川線や沿線の特徴を調査し沿線の強みを生かした活性化案を提案した。
この会は、一般社団法人全国高校生地方鉄道交流会(大溝貫之代表理事)の主催。中高生らが鉄道について研究し、鉄道事業者と交流することを目的として、2012年の秋田内陸縦貫鉄道を皮切りに一畑電車鉄道(島根県)やJR北海道花咲線などで実施し、今年で11回目を迎えた。
今回は8月5―7日の期間、参加した11校・約60人の生徒が南海電鉄・千代田工場の見学や特別運行された「めで鯛電車さち」の乗車、沿線の探索などを行い、最終日の研究発表に臨んだ。

8月7日に行われた研究発表で
研究発表では、バーチャルゲームの世界をリアル化して“聖地巡礼”で人の流れを創出しようという企画や、多奈川線の長いプラットフォームを有効利用する提案など個性的な内容が目白押し。
その中で、最優秀賞の「南海電気鉄道社長賞」に輝いたのは、大阪府の浪速高校・浪速中学校鉄道研究部の活性化案。夕陽や3連アーチ橋など沿線の資源を利活用した提案で、資金調達方法にクラウドファンディングを盛り込むなど具体性、実効性のある企画と評価された。
最優秀賞の副賞は、南海電車の先頭車両に期間限定で掲出されるヘッドマークのデザイン権。岬町の夕陽と同校のエンブレム八咫烏をあしらったヘッドマークをつけた車両が10―11月に多奈川線などを走った。

中高生のデザインで作成されたヘッドマーク
(写真は報告書から)
また、同時に写真コンテストも行われ、生徒が撮影した多奈川線を走る車両や沿線の風景写真に対して岬町長賞などが贈られた。
大溝理事長は総評で「交流会に参加して、授業とは少し違ったフィールドワークを楽しんだ皆さんは、世の中との接点を大切にする交流会の活動を周りの方々にぜひ伝えてください」と呼びかけていた。
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