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【観光業界リーダー年頭所感】全日本空輸株式会社 上席執行役員関西支社長 新居勇子 氏

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴って世界中の社会経済活動が大きなダメージを受けました。海外との往来が閉ざされ国内移動が制限される中で、人の移動サービスを担う運輸業界や観光・旅行業界はとりわけ甚大な影響を受けました。

働き方や生活様式の変化、移動需要の減退など環境が激変し、ANAグループは国内線、国際線ともに大幅な減便、運休をせざるを得ない状況が継続しており、皆様にはたいへんご不便、ご迷惑をおかけしております。

ANAグループでは、お客様と従業員の健康と安全を守り、今までと変わらない快適さや楽しさを今まで以上に安心してご利用いただくために、「ANA Care Promise」という取り組みを開始し、空港やラウンジ、機内などの清潔・衛生的な環境づくりや機内の換気を徹底しておこない皆様のご搭乗をお待ちしております。

国内線においては需要回復傾向を、国際線においては各国との入国制限・緩和状況を見極めながら、運航規模の回復に努めてまいります。

また、昨年のコロナ禍においては、本来であれば成田=ホノルル線に運航している520席仕様のエアバスA380型機「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」を活用した国内遊覧飛行や、自治体・企業・働き手をつなぎ、企業や働き手を地域への誘客につなげることを目的に、遊休資産の活用など働く場所の発掘から、移動や宿泊、地域体験の開発に加え、宣伝・販売までをワーケーションの商品としてトータルでコーディネートする「ANAふるさと発見プログラム」などこれまでにない新たな取り組みが生まれました。そして昨年12月からは今年5月までの期間で関西2府4県の魅力や観光情報を紹介する「Tastes of JAPAN by ANA関西−Explore the regions」を開始しました。各府県と連携し、ANAグループの様々な接点で特集することで、地域の観光・グルメなど魅力の発信と誘客による地域活性化を目指します。

今年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。開催されれば、「感染症対策を万全に講じていれば国際間の移動も実現できる」というメッセージにつながると考えています。ANAグループとしてできる取り組みは積極的に展開していきたいと思います。

ウィズコロナ・アフターコロナの時代において変化する航空・旅行需要の「量」と「質」に対応すべく▽ANA、Peachに加えた第3ブランドの立ち上げによるお客様の価格・サービスにおける幅広いニーズに対応できるエアライングループとしての持続的成長の追及▽日常的な購買を中核としたプラットフォームビジネスの具現化による非航空収益の拡大▽ANAグループが持つ様々なリソースを活用した地域とANAグループ双方の利益創出を目指す地域創生事業への取り組み−などANAグループのビジネスモデルを変革し、「エアライン一本足打法」からの脱却によるグループ全体の事業ポートフォリオを見直すことで感染症の再来にも耐えうる強じんな企業グループに生まれ変わります。

「あんしん、あったか、あかるく元気」な姿勢を忘れることなくANAグループをご愛顧いただいているすべてのお客様に常に感謝の意を表しながら、従業員一同前を向き、新たな成長に向けてまい進する所存です。

本年もご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。今年一年、皆様方のご健勝とご発展を心から祈念申しあげ、新年のごあいさつとさせていただきます。

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