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【観光業界リーダー年頭所感】四国旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 西牧世博 氏

謹んで新春のお慶びを申しあげます。

平素よりJR四国グループに対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい経営環境が継続するなか、2031年度の経営自立に向け、持続可能な経営体質の構築を目指し「収益のリカバリー」「構造改革の継続」「非鉄道事業における最大限の収益拡大」を重点実施項目として経営基盤の強化に取り組みました。安全・安心・信頼の確保を大前提に、感染症拡大防止対策を着実に行いつつ、グリーン個室を備えた観光列車の2代目「伊予灘ものがたり」の運行開始、「四国アフターデスティネーションキャンペーン」の展開、全国旅行支援及び県民割を活用した商品設定など旅行需要回復に向けた取り組みを行いました。また、スマートフォンできっぷが購入できるチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」を先行稼働し、「いつでも・どこでも・キャッシュレスできっぷが買える」「きっぷ画面提示で列車に乗れる」サービスを開始しました。このほか、徳島県南部におけるバスとの連携など、「公共交通ネットワークの四国モデル」構築に向けた取り組みを推進しました。非鉄道事業においては、四国外初出店となる「JRクレメントイン姫路」の運営開始、賃貸マンションの取得など、収益拡大に全力を注ぎました。

本年は、経済活動正常化の動きが継続する一方で資源価格の高騰など、経営環境は不透明な状況が続くと考えられますが、感染症拡大防止対策に万全を期し、お客様に「安心して」、「喜んで」、「末永く」ご利用いただける企業グループを目指して取り組んでまいります。

鉄道事業では、本年春にチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」を本格稼働し、さらなるサービス拡大に取り組むとともに、すでに導入している「e5489チケットレス」などをあわせ積極的にPRするキャンペーンの実施、四国内のイベントや周年行事と連携し利便性向上及び旅行需要の拡大を図るほか、引き続き省力化・省人化による生産性向上に取り組みます。また、運賃改定については、本年5月の実施に向け準備を進めてまいります。今後の厳しい経営環境を踏まえ、四国における基幹的公共輸送機関としての使命を果たしていくには、現行の運賃では限界があるため、たいへん心苦しいところですが、お客様にも一定のご負担をお願いするに至りました。何卒ご理解賜ればと存じます。

非鉄道事業では高松駅ビル(仮称)の23年度下半期開業に向けた準備を進めるほか、長期的な収益拡大に向け、ホテルセグメントや駅ビル・不動産セグメントなどの重点セグメントではアフターコロナの経営環境を踏まえた成長戦略の見直しを進め、これに基づく施策、投資に取り組みます。加えて既存事業の市況悪化、環境悪化に左右されない「新しい領域」へのチャレンジとして、M&A戦略の推進を継続します。

当社グループと四国は運命共同体という認識のもと、交流人口の拡大と地域の発展に貢献する企業グループを目指してまいります。

今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。

年頭所感

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