花の御寺・長谷寺(2) 奈良の二大火祭り「だだおし」2月14日に奇祭
松明もつ鬼が練り歩く 3年ぶり一般参加可能
東大寺の「お水取り おたいまつ」と並んで奈良の二大火祭として知られる長谷寺の「だだおし」。毎年2月14日に行われている。今年は3年ぶりに一般参拝客が参加できるとあって、注目を集めている。
「だだおし」は、檀拏印(だんだいん)と呼ばれる、閻魔大王より開山徳道上人が授かった閻浮壇金(えんぶだごん)の宝印を参列者の額に押すことからその名がついたとされ、1千年以上の歴史がある。
奈良の古寺では年初に国家の隆盛と国民の繁栄を祈る「仁王会(にんのうえ)」、人々の罪・過ちを仏前で懺悔し、身も心も清らかになって新年を迎えるための「修正会(しゅしょうえ)」「修二会(しゅにえ)」などの法要が行われるが「だだおし」は修二会の締めくくりとして行われる追儺会(ついなえ)の儀式になっている。
当日は15時から僧侶の行列から始まる。本堂の法要のあと、堂内に赤、青、緑の鬼が登場。僧侶の持つ牛玉札(ごおうふだ)力によって鬼を退散させる。追い出された鬼は長さ4・5メートル、重さ120キロの松明を持って苦しみ唸り声を上げのたうち回る姿が圧巻で「だだおし」の一番の見どころ。そのあと、17時ごろに法要は終わる。
「だだおし」は牛玉札を買い求めると本堂内に参列でき、直近で迫力ある大きな松明とコミカルな鬼を見ることができる。鬼が近づくと歓声と共に笑い声が堂内に響き、コロナの憂さも晴れるような気分になる。
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