【観光業界リーダー年頭所感】公益財団法人大阪観光局 会長 福島伸一 氏
昨年の大阪・関西万博は2550万人以上もの一般来場者を迎え、大きな成功を収めました。私はこの万博が都市としての大阪の転換点となり、「新しい大阪」の始まりを象徴する出来事であったと強く感じています。万博は日本が世界に向けて最先端技術やSDGsへの取り組みを提示する場であると同時に、大阪が国際ハブ都市へ飛躍するための実験場でもありました。食やものづくり、医療といった日本が誇る多様な価値を世界へ発信できたことは、私たちにとって大きな財産です。
観光面でも、2025年は大阪の成長が明確に表れた一年でした。インバウンドも約1460万人から1700万人前後への大幅な伸びが見込まれています。万博期間中、来阪者の満足度が高かったのは観光に携わる皆さまの献身的な努力の積み重ねによるものです。あらためて深く感謝申し上げます。今後は2030年のIR開業を見据え、私たちが目指す国際観光文化都市としての成長には、観光産業全体の人材育成と産業としての社会的価値の向上が欠かせません。観光産業から“次世代のヒーロー”を生み出していく気概を持ち、未来の担い手づくりを進めてまいります。
ポスト万博時代の大阪には、SDGsとカーボンニュートラルの推進、日本観光のショーケース機能の強化という明確な使命があります。さらに富裕層受け入れ体制の整備など、世界から選ばれる都市を目指した取り組みを加速していきます。同時に、手ぶら観光、ロッカーやトイレの拡充、ゴミ箱やWi―Fi環境の整備、災害・急患対応など、すべての来阪者にとって“安心・安全・快適”を実感していただける環境整備にも力を入れてまいります。
インフラにおいては、なにわ筋線の開通、神戸空港の国際線定着、夢洲第2期開発などが控えており、また関西3空港の総合的な機能強化は私たちにとって大きなテーマです。陸・海・空が連動したアクセス網を構築するとともに、瀬戸内周遊クルーズやスーパーヨットの誘致を通じて、より多様な客層を呼び込む体制づくりを進めます。
日本には豊かな四季、美しい自然、高い精神性と美意識、そして世界から尊敬されるおもてなしの心があります。こうした価値を生かし、年間6千万人のインバウンドを受け入れる観光立国の実現に向けて、2026年ホップ・ステップ・ジャンプの「ジャンプ」の領域に入っていきます。大阪観光局は、多様なパートナーの皆さまと共に新しい価値創造に挑戦し続け、日本の観光の未来を切り拓いてまいります。
最後に、本年も皆様の益々のご健勝をお祈り申しあげるとともに、さらなるご指導やお力添えを賜りますようお願い申しあげ、年頭の挨拶とさせていただきます。

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