今年の夏は現状維持-JTBの夏休み旅行動向 海外は過去最高も国内前年並みに
JTBがまとめた夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向の見通しによると、1泊以上の旅行に出かける人は前年比0.1%増の7743万人の見込み。海外旅行人数は過去最高と予測するが、国内旅行人数が前年並みに。消費者の旅行支出にやや慎重な姿勢も見え、市場にとっては現状維持、“我慢”の夏になりそうだ。
今年の家計をとりまく環境は、株価の動向の不安定さや生活用品の値上げなどで不透明感が漂う。同社の調査でも旅行支出を増やしたい意向が前年より減少、減らしたい意向が増加するなど節約志向が強まり、旅行市場は活況とまではいかないと予測される。
国内旅行人数は前年から増減なしの7460万人。国内旅行は景気の不透明さが大きく影響することを考えると“健闘”といえそうだが、費用が同1.2%減と、節約志向の影響がここに出そう。
旅行目的は前年に引き続き「帰省」が微増となる一方で、前年落ち込んだ「海水浴」「ハイキング・登山・キャンプ」は増加。宿泊施設もホテル、旅館が減少し、民宿・ペンション、キャンプ場など比較的“お金のかからない”スタイルの旅にシフトしているのがみてとれる。
方面別では、沖縄、東北、北陸などが前年よりアップ。アンケートからは食のイベントや花火大会、動物園・水族館に注目が集まっているという。出発ピークは8月11―15日。
海外旅行は同4.1%増の283万人で調査開始以来最高となりそう。方面別ではLCC路線の就航が相次ぐ近場のアジアが同5.5%増と人気。ハワイは同5.0%増、ヨーロッパも同2.5%増と堅調だ。
調査は1200人のアンケート結果とJTBグループの販売予約状況などから推計した。
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