滋賀・三井寺の国宝2件がユネスコの世界の記憶に、特別公開始まる
23/05/26
滋賀県大津市にある天台寺門宗の総本山・三井寺(園城寺)が所蔵する国宝「智証大師関係文書典籍」と国宝「五部心観」の2件が、5月25日、9世紀の日本と中国の文化交流を物語る史料の集まりとして、ユネスコの「世界の記憶」に登録されることが決まった。
登録名は「智証大師円珍関係文書典籍-日本と中国の文化交流の歴史-」。文書群には唐の制度を示す文書の原本が完全な形で含まれている。なかでも唐代の役所から発給された通行許可書「過所(かしょ)」は、唯一現存する一次史料として、唐代の書式例を完全に伝えている。

唐の通行手形。「越州都督府過所」*大中9 年(855 年)3 月19 日付とある
今回ユネスコに登録された文書の原本は、智証大師円珍(814~891年)が遣唐使として留学していた唐から持ち帰り、1100年以上にわたって保存されていた。
2つの国宝は通常は奈良国立博物館で管理されているが、世界の記憶登録を記念して、三井寺文化財収蔵庫で5月25-7月2日まで、大津市歴史博物館で7月4-30日まで、一部文書が一般公開される。見学には入山料や入館料が必要。
ユネスコの世界の記憶登録事業は1992年に始まり、日本からはこれまでに東寺(京都市)の中世の古文書や朝鮮通信使に関する資料など7件が登録されている。
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