漢方・薬草の発祥地を訪ねる 奈良ウェルネスツーリズム(2)/日本にヘルス&ビューティー
ライフスタイルに衝撃を受けた留学時代
「カリフォルニアではオーガニック、ナチュラルがライフスタイルになっていました。そんなハリウッドセレブの生き方がすごく眩しくて、かっこよかったですね」
大学卒業後、就職したのは伊藤忠商事。ブランディング・マーケティングの部署に配置された。仕事は楽しくやり甲斐を感じていたが、2年半で起業を思い立つ。24歳の時だった。

カリフォルニア、バルセロナの経験が原点の奈良に回帰するきっかけに
さて、何をしようかと考えたとき、思い浮かんだのはカリフォルニア、バルセロナでの体験。「さっそうとまちを歩く女性たち。身に着けているものは地球にも自分にも優しいものばかり。あのライフスタイルを日本でも定着させよう」と思った。日本でも当時、少なからずそうした自然派志向の商品はあったが、ネットワークビジネスやクローズ的な会員制など敷居が高く、とっつきにくいイメージがあった。橋本さんは、もっと身近に誰もが手に取りやすいようにしたらと考えた。「これ絶対いける。私ができることだと思ったんです」。
留学時代、商社時代に培った人脈を生かし、海外のナチュラル素材のアパレル、自然由来のコスメなどを取り寄せ、デパートのセレクトショップに売り込んだ。「これ来ます、一緒にやりませんか」と口説き、店の人もその将来性から面白いと感じてもらえた。
47都道府県「薬草さがし」の旅
「輸入した製品のパッケージを見ると、すごく細かい字で成分とかが詳しく表示されています。それを翻訳すると、日本でも古くから使われている薬草や香草が記されていました。あれ?これって国産できるんじゃないか。ほかにない商品、ブランドを創造できるかも」。橋本さんはそう思って、今度は薬草さがしの旅に出る。30代をかけて47都道府県をまわった。「伝承あり、今も使われているものありで郷土色豊か。すごく面白い」。調べれば調べるほど、立ち上がってきたのがふるさと、奈良だった。
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