年末年始の国内旅行2100万人 JTB見通し・遠方、都市観光が回復
JTBは年末年始(12月23日―1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向見通しをまとめ、12月6日に発表した。国内旅行者数は2100万人で前年比116・7%(19年比71・8%)の見込みで、遠方が徐々に回復するとともに都市型観光も戻ってきそうだ。ただ、新型コロナ感染の第8波、全国旅行支援が年内は12月27日で終了する予定であることから、一定程度の人が旅行を控えるなど多少の影響があると予想している。
調査は11月11―17日の期間、全国15歳以上79歳までの男女1万人を対象に事前調査を行い、旅行に出かける意向を示した1319人の本調査をいずれもインターネットで実施した。
今年の年末年始は、28日仕事納め3日初出の6連休が中心で、例年に比べて長期休暇になりづらい日並び。事前調査では期間中に旅行へ行く意向を持つ人は16・3%(前年比0・6%減)で、男女とも若い年代ほど旅行意向が高い結果だった。本調査の1319人の34・9%は「家族と過ごす」で、次いで「帰省」(25・3%)、「リラックス、のんびりする」(25・0%)。行かない理由は「いつも家でゆっくりしているから」が最も多い36・9%、次いで「混雑するから」(32・11%)、「コロナがまだ収束していない(拡大の懸念があるから)」(22・4%)となった。
国内旅行人数については、経済指標や交通機関の動き、宿泊施設の予約状況、各種定点意識調査などをもとに算出し2100万人と推計。前年より16・7%上回ったものの、コロナ前の19年比では28・2%減の水準にとどまる見通し。
旅行費用については、2泊3日から4泊5日までの割合が上昇したこと、実家や知人宅での宿泊が減少しホテル宿泊が増加したこと、物価上昇などから平均費用は3万7千円と前年比、19年比とも1割以上アップしそうだ。同行者は家族連れが6割と半数以上を占める。特に三世代が増えると予測。コロナ禍で増えていた一人旅は減少に転じる見込みだ。
国内旅行先は、関東がもっとも割合が高く22・6%、次いで近畿の17・4%。コロナ禍で減少傾向にあった北海道と沖縄は前年より1ポイント以上増加する見通しだ。JTBの予約状況によると、関東は東京ディズニーリゾート(TDR)、近畿はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)がけん引する。利用交通機関で前年より増えるのは乗用車(59・7%)、航空機(13・3%)、フェリー・船舶(1・9%)。利用宿泊施設はホテル(43・1%)が前年より8・5ポイント上昇する一方、旅館は6・9ポイント減少する。JTBでは「コロナ禍では、感染症防止の観点から、自然や温泉地に近い旅館の滞在意向が高い傾向だったが、都市部への意向が高まっている様子がうかがえる」としている。
国内旅行については「全国旅行支援の年内の対象期間延長も発表されたことにより、間際のお申し込みにも期待がかかる」(JTB)。
海外旅行については、ウクライナ情勢による世界的な物価上昇や円安、航空運賃と燃油高で1人当たりの旅行費用は2000年以降で過去最高の26万円と推計されている。JTBの海外企画商品ではハワイ、グアム、韓国、タイなどの売れ行きが好調だという。
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